「漫画実写化の数少ない大成功作品」帝一の國 といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
漫画実写化の数少ない大成功作品
「漫画の実写化」というのはしばしば批判を呼びます。
何故なら、ほとんどの場合漫画の実写化は駄作になるからです。私は今まで視聴した漫画実写化で成功だと感じたのは「ピンポン」「デスノート(後編)」「アルキメデスの大戦」くらいです。
しかし、今回その漫画実写化成功例に、この「帝一の國」を追加しました。マジで面白かったです。
ちなみに私は原作未読ですが、事前にミュージカル版「帝一の國」を観劇済みです。ミュージカル版も世界観にマッチしていて本当に面白かったのでオススメですよ。
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全国屈指の名門校である海帝高校。政界に強いコネクションを持ち、この高校で生徒会長になった者は将来の内閣入閣が約束されていると言われるほどだった。そんな海帝高校に主席で入学した主人公の赤場帝一は、総理大臣になるという己の夢を叶えるために生徒会長の座を狙っていた。優秀なライバルがひしめく海帝高校での、命がけの権力闘争が幕を開けた。
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「生徒会長を目指す」というそれだけの作品なのに、どうしてこんなに熱くてムサくてカッコいいのか。登場人物全員がいい意味で狂っているし、個性的で魅力的。そしてそのキャラクター達を演じる若手実力派俳優たち。体当たりでの怪演は、見ていて清清しさすら感じます。中盤に登場する、上半身裸で太鼓を叩いているシーンは、絞り上げられた肉体美も相まって、観ていて興奮を覚えるほどです。
脚本も良く、かなり荒唐無稽な世界観にも関わらず自然に受け入れることができましたし、全14巻の作品をどこまで映像化するのかというのが気になっていたんですが、ちゃんとキリのいいところで綺麗に終わらせていたので、高密度の原作ストーリーを見事に2時間の尺に纏めたなと感心してしまいました。
本当に面白い作品でした。惜しむらくは、映画をあまりにも綺麗に纏めたが故に、続編を作るのがおそらく無理だろうということです。続きも観たかったなぁ……。
めちゃくちゃ面白かったので、オススメです!!