「○○だけは出して欲しくなかった。」ガールズ&パンツァー 最終章 第1話 鈴木貫太郎Pさんの映画レビュー(感想・評価)
○○だけは出して欲しくなかった。
ガールズ&パンツァー最終章に相応しい見事な映画でしたが☆一つ減らしました。些か不愉快な文面なのは自覚しています。初戦の相手はBC自由学園。フランス戦車の学校です。フランス戦車の設計思想は装甲化された騎兵であり、対戦車戦闘は基本的に歩兵と砲兵が担当しますので味方の砲兵が敵の対戦車砲と戦車を粉砕して歩兵と一緒に陣地突破という第一次世界大戦の思想です。つまり歩兵と砲兵のいない戦車道では車長が砲手と装填手を兼任する為、著しく不利です。ですのでかつての大洗のようにその不利をどう挽回するのかを楽しみにしていました。強力な戦車だけでは大洗に勝てない事は黒森峰が実証してしまったのでそれ以外の方法でどうやって王者大洗に挑むのか?橋での戦闘に持ち込んだのは見事の一言ですが奇襲に対し即座に互いの死角を補いあい西住みほに考える時間をもぎ取った大洗。その大洗に対する答えがドイツのパンターと撃ち合える対戦車戦闘が可能なARL44。フランス戦車思想を否定して完成したARL44では黒森峰なりプラウダの重戦車で十分です。折角のフランス系戦車道なのですから劣化黒森峰にはして欲しくなかったです。ARL44を出すならファイアフライに乗ったサンダースのナオミさんやJS2に乗ったプラウダのノンナさんのように的確な射撃で恐怖させるような展開なら燃えたのですが部隊の半数がARL44で的確な対応をされたとはいえ大洗に一両の損害も与える事ができなかった練度のARL44では一体何のために出したのでしょうか。フランス戦車道を否定して劣化黒森峰化するならソミュアのようにまともに戦ったら負ける戦車だけど知略で互角か優位に立てるような、かつての大洗が見せてくれた強力な戦車相手でも諦めず戦い抜く展開でなかったのが残念です。