「マニアじゃなくても楽しめて、マニアであっても楽しめる」ギミー・デンジャー hori_gooさんの映画レビュー(感想・評価)
マニアじゃなくても楽しめて、マニアであっても楽しめる
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2017年の秋口に公開され、連日満員のロングラン上映となったことに古くからのファンが一番驚いた「ゴッドファーザー・オブ・パンク」ストゥージズのドキュメンタリー。
キャリアを時系列に並べた構成で、ジャームッシュにしてはオーソドックスな仕上がり。ニール・ヤングとクレイジーホースの現状を切り取った「イヤー・オブ・ザ・ホース」よりも作家性が抑えられているため、「ストゥージズ入門」に最適。むしろ「名前くらいは聞いたことある」方々に見ていただきたい。
構成はオーソドックスでもバンクフィルムの使い方はジャームッシュならではのセンスが光り、しかも当時の時代背景もさり気なく織り込まれているという、洒落っ気で笑えて知識も得られて、切り口を変えて見返すことも可能。二度も三度も美味しい。
マニア向けには特典映像。「ロン・アシュトン・トリビュート・コンサート」で演奏された「Departed」をバックに紹介されるストゥージズ生誕の地「アナーバー観光案内」。しんみりした曲をバックに雪の積もる聖地巡りの映像を流すのは卑怯。
しかし、現時点では「ストゥージズのキャリアを俯瞰した日本語情報」がこれだけというのが残念。この映画のヒットでストゥージズは日本でも稼げることが分かった以上、伝記「Total Chaos」の翻訳が期待されるところ。後は別々でもいいのでイギー・ポップとジェームズ・ウィリアムソンの招聘を。
イギー・ポップは来日嘆願署名運動もあるので、よろしく。
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