「クソの役にも立たないからと存在を否定したら人間じゃなくなる」わたしは、ダニエル・ブレイク クレナイナラさんの映画レビュー(感想・評価)
クソの役にも立たないからと存在を否定したら人間じゃなくなる
政治家さん達は「貧困層はクソの役にも立たない」と思ってるから切り捨てるし、
私だってお役所勤めだったら国の方針に逆らって弱者救済に励げむのは怖いし、
己の貧困をものともせず隣人を助けたりなんてなかなか難しいだろう。
この映画は、体制側への批判とともに
切り捨て切り捨てられる行為に対し、民衆自身が諦め開き直ってしまう姿勢にも強くNOを叩き付ける。
メッセージを前面に押し出しながらも、鼻につくことなくジワリと登場人物たちの側に引き寄せる仕業、グッときた。
ケン・ローチは大好きと言いつつ、また英国の貧乏人話か~と鼻につくだけで作品として楽しめない場合もたまにあったので今作も心配だったが、最後とされていた前作で終わらせるのを翻してくれて本当に良かったと思える出来となり嬉しい。
コメントする