ハクソー・リッジのレビュー・感想・評価
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戦争…人が行う大罪
命
後半、泣けてきた。
戦争の最前線で、一心に命を繋ぎ続けた青年の話しで、夜通し仲間を救助し続けた信念に泣けてくる。
前半は帰還兵である父親が、強烈なアクセントを放ち続け、戦争の苛烈さを伝えてくれる。この役者さんに釘付になったのは今作が初めてだ。
中盤では彼の信念が、その苛烈な戦争の中では、むしろ無用なものだと否定される。
だが、彼は有罪を覚悟しながらも、その信念を曲げようとはしなかった。
後半は戦争の最前線だ。
彼は銃を持たず衛生兵として参戦する。
「誰も殺さない。仲間を救う。」
このシンプルな信念を忠実に体現していく。
戦争が休止する夜に、彼は単独で夜通し仲間を救出し続ける。
これはおそらく衛生兵の任務外の行為であり、罰せられるようなものだと思う。
だが彼は、ひたすらに命を繋いでいく。
もう1人、後1人
夜中に敵地で単独行動する恐怖はどんなものなのだろうか?
いるともいないとも分からない仲間をやみくもに探し、腐臭が漂う戦地を這いずりまわるのは、言葉にできない程の嫌悪感が付いてまわるのではないのか?
だが、それすら凌駕し、体を動かすものが「信念」彼はそれに従い、実行し続けた。
その彼を演じた主役も見事。
人の体は演技であんな風に震えられるものなのか?
自身が戦地を離れ、安全だと判断できた時の体の震え…無自覚のその震えを、明確な意思と目的をもって再現してみせてた。
…驚く。
監督も監督冥利に尽きるんじゃないかと思う。
この作品の優秀なとこは、その命を繋ぐという行為の正反対にある、命を奪う行為を鮮烈に描き続けたという事だと思う。
凄惨な描写があったからこその結果であろう。…戦禍の中にあった人たちや、その歴史を直接的に背負う人たちは、目を覆いたくなるのもしれない。
いずれにせよ、戦争の悲惨さを改めて感じた映画でもあった。
彼が救出したの75人だったか…。
戦争全体から見れば微々たる数だ。
だが、その75人の人生は彼が繋いだ。
そこで断絶されてもおかしくなかった。
継続は絶望的だった。
そんな折に、差し出される手に神の存在を感じたとしても、それは間違いではないのだろうと思う。
良い映画だった。
主人公の意志の強さを感じる映画
前半はとても良かったのに
主人公がどういう人物で、どういった経緯で人を殺さないという信念を持つように至ったのか丁寧に描かれていて、前半はとても良かったのに肝心の戦闘シーンからがちょっと長いと感じたりするところがあって残念だった。
最後いきなりの本人インタビュー映像も、説明的過ぎてクドイ。
ハクソー・リッジが落ちて自分も負傷して、最後家に帰るところまで描いて彼の戦争をちゃんと終わらせて欲しかった。
感動しました
信仰心と信念
主義主張関係なく質が高かった
日本人として、正直、題材的に観賞を躊躇うところがあったけれど、相当に泣かされたし、素晴らしい作品だった。
描かれ方は、完全にアメリカ目線であり、信仰とか、あるいは日本兵の表現も“腹切り”的なもので、日本人としては受け入れがたい部分が大部分を占めていたように思う。それでも、この作品には非常に共感してしまったし、大げさに言うと、大日本帝国は完膚なきまでに敗北したのだと思い知らされてしまった。
とはいえ、そのようなナショナリズムや思想といったものを超えた、映画の質の高さを一番に感じた。
生々しい戦闘シーンや、緊張感あふれる絵づくりによって、完全に引き込まれてしまった。
作品のテーマも、立場や主義主張関係なく、ごく当たり前の事が表現されていたので、素直に受け入れることができた。
個人的には、主人公の行いに涙すると同時に、沖縄で散っていった多くの日本兵に涙していた。そういう様々な感情をかき立てられる優れた作品だと思う。
ハズレ映画ではないが2度は観たくない
息ができなかった
信念を貫き続けた人の話しだけど、友人や上司が目の前で知らない人に次々と殺害されている場所で、自分たちも人を殺しまくってて、周りは死体だらけで。
それだけでも相当辛いのに、たった70年前に実際に沖縄で起こった実話だと思うと本当に胸が締め付けられた。
戦争しているシーンは上手く呼吸ができなくなった。
兵隊はなんでみんな銃弾や火と血が飛び散る中前に進み続けれるのか、なんで自ら死にに行けるのか、なんで友人の為に自分を危険に晒すことができるのか
理解不能なことばかり。国の為に自らの命を差し出すなんて考えられなかった。
小学生の頃から何度も戦争についての授業はしてたけど、今まで全く関心がなかったけど
日本人として知らなければいけないことだと思った。
ハクソーリッジをみて、あまりにも心を撃たれて平和ボケしている自分に呆れた。
戦争は絶対にしたくない。
やはり俳優メルギブソン監督の映画
アンドリュー・ガーフィールドの存在
理屈ではない、感情なのである。信仰とは感情を超えたところの理性であるのかもしれないけれど、アンドリュー・ガーフィールドは表情でその部分を演じきっている。
神の声が聞こえるのか?と問われ、聞こえないと答える。その顔。
大切な者が傷つけられても武器を取らないのか?と問われ、分からないと答える。その顔。
戦場で神に願う、声を聞かせてくれと願う。その顔。
常に、笑みを浮かべた表情をしながら、ドスの、その心の中の矛盾に戸惑うような、自嘲するような笑みを浮かべながる、その顔の演技が、鑑賞者に問いかけているような気がした。
どう思う?僕は間違っているのかな?
アンドリュー・ガーフィールドの演技無しには、武器を持たずに、過酷な戦いを続ける衛生兵の姿への感動はなかったと思う。素晴らしかった。
感慨深いね
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