「信念の重み」ハクソー・リッジ odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
信念の重み
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多数の名もなき民間人が軍に見捨てられ死んでいった悲劇の沖縄戦の映画を観るのは辛いので正直気が進みませんでしたが、番宣で反戦の衛生兵の話と知ってBSで鑑賞。
デズモンド・ドス衛生兵は映画化の条件として脚色を嫌ったのでほぼ実話といって良いでしょう。良心的兵役拒否者(Conscientious objector)なんて扱いがあったことは驚きです。日本なら非国民として即刻処刑ものだったでしょう。
ハクソーリッジ(浦添市前田高地の断崖)は沖縄北谷(チャタン)に上陸した米軍が首里城の日本軍の本拠地へ向かうルートにありました。迎え撃つ日本軍は硫黄島同様、地下トンネルを拠点としたゲリラ戦で応じました。映画では民間人が巻き込まれていないのがせめてもの救いです。
平時と有事のダブルスタンダードは詭弁としても受け入れざるを得ないのが現実と思っていましたから個人の信条が尊重される本作には驚きました、ただ戦争の悲惨は余りにも酷く、これを参戦の妥協案やまして美談として認める気にはなれませんが個人の限界としてデズモンド・ドス衛生兵の行いは賞賛に値することに異議はありません。
劇中でも銃を拒否するドスに「日本人はクリスチャンじゃない」というイスラムのテロリストの発するような説得がありました、信仰心に基づいたとしても人次第です。平和ボケとか馬鹿と言われても今日の平和が多くの犠牲の上にあることを噛みしめるばかりです・・。
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