「信仰と恐怖」ハクソー・リッジ みんもさんの映画レビュー(感想・評価)
信仰と恐怖
戦争映画は恐ろしい。この映画を観た第一声がそれかと突っ込まれそうだが、本心なのだから仕方ない。ホラー映画よりも恐ろしいと思う。それが現にあるものだから。本作を観ながら、私は飛び交う銃弾を避けようと何度ものけぞり、恐怖の声を上げた。それほどに戦闘シーンは迫真に迫り、観る者に強い衝撃を与えるものとなっている。映画技術の進歩はもとより、メル・ギブソンの手腕にもよるのだろう。とはいえ、殺し殺される相手方は日本人なのだから、複雑な思いにもなる。
主人公を演じるアンドリュー・ガーフィールドは、「沈黙」で演じた宣教師に続いて、日本の地で信仰心を試される役を演じることになった。彼は両方の役で同じような台詞を発する。I can’t hear you. 神よ、あなたの声が聞こえません。ただし本作では、そう呟く彼の耳に、負傷して呻く戦友たちの声が飛び込んでくるのである。
全く前知識なく観始めたため、エンドロールの前にデズモンド・ドス本人の映像が流れて驚いた。
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