「沖縄が舞台だと知ったから見た。」ハクソー・リッジ ハクタカさんの映画レビュー(感想・評価)
沖縄が舞台だと知ったから見た。
戦場で武器を持たないだと?
そして、傷ついた人を助けたい??
そんな偽善めいた話が通用するもんですか!
絶対こんな映画なんて見ない!って思っていたんです。
でも、今年の8月に沖縄旅行に行ったんです。
そしてこの映画を見ようと思える出来事に出会いました。
本島縦断のバスツアーに参加しました。
バスガイドさんがとても明るく熱心で、その上説明が上手。
とってもとっても楽しめました。
ツアーの終盤になって、浦添市を通過する際に、「『ハクソー・リッジ』って公開されてるのを見た方はいらっしゃいますか?あの舞台がここなんですよ。」と仰ったんです。
びっくりしました。
沖縄戦の話だったんだと。
そして、沖縄の方の立場として、そのバスツアーを通して初めて、太平洋戦争について語られました。
若い方だったのに、バスツアーが湿っぽくならないように、旅の最後にこの話を持ってきて、永遠の平和を願いながらバスツアーを締めくくる。
すばらしいツアー行程の設定だったと思います。
とても素敵な一期一会に感動しました。
旅行から戻って、まだ上映されている所を探しました。
間に合って幸運でした。
肝が潰される思いでした。
自分だったら一歩も前に進めないだろうな。
戦争は人を狂わせるな、やっぱり戦争はいけないな、と改めて思いました。
ただし、この映画の本質はそこではありません。
レビューで多くの方々が述べられているように、この映画の図太い骨子は「信念」だと私も思いました。
自分でも驚きました。
エンドロールでジュースの入った紙コップを持ったとき、手がぶるぶる震えていたんです。
しっかりと心に焼き付く映画でした。
冒頭に書いた先入観を反省します。
ごめんなさい。
いつもメルギブソンにはいい意味で裏切られる。