劇場公開日 2017年6月24日

  • 予告編を見る

「信仰心」ハクソー・リッジ ゾンビさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0信仰心

2017年8月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

メル・ギブソンって私生活が破天荒すぎて、今や顔も役も悪って感じの印象ですけど、相変わらず監督をやらせるとすごいひとらしいです。
本作はちょっと感動させる演出がクドい気がして、メルギブが(どや、泣けるやろ)とニヤついてるような気がして、でも泣きはしないけどずっとうるうる来てたかんじです

さて、戦争映画ってことで最初からドカンバキュンとハデなシーンから始まるのかなぁなんて身構えてたら、主人公デズモンド・ドスの幼少期のエピソードから。
怪獣映画やホラーだったら「出し惜しみすなっ!」ってところですけど、心優しき男の成長と、戦地での恐怖と奮闘を描いた2部構成になっているところが意外で、これはこれで感情移入して戦闘シーンでより感動を誘われるいいつくりだなぁと思ったりしましたよ

しかもデズモンドの成長や恋愛、そして入隊後の話もまたおもしろくて。
前半のクライマックスはとある軍事裁判なわけですが、ここまででもなかなかに引き込まれました
やろうと思えばこれだけで1本の映画になったんじゃないですかね

さてさて、満を持して戦場へ。
いまだに戦争モノってなると『プライベート・ライアン』と比べてしまいがちなじぶん。
残虐さは『~ライアン』『ブレイブハート』を超えたとか評されてるらしいですが、あの初見の衝撃には及ばなかったかなぁと思います

内臓のグロさ的なものでいえば上回っていたかもですが、それよりもホラー的な演出のほうが気になりましたね笑
2回ほど意図的に観客を驚かせるシーンがあるのですが、まんまとビクッ!としてしまい、ちょっと恥ずかしかったです

あとは予告編の通り…。
戦地では殺めるより生かすほうが大変なのではと思いますが、デズモンドの孤軍奮闘ぶり、スリルと感動を呼ぶ絶妙なバランスですね。
ベタですけど、じぶんの命をなげうって傷ついた兵士を助ける姿に、それまで忌み嫌っていた者たちの仲間意識が芽生える
このシチュエーションに弱いんですよ~。泣くってよりニヤニヤきちゃいます

戦場の凄惨さに対して必死に命を救おうとするデズモンドの対比が、それまで偏執的なまでに信仰に厚い男をより神格化するようで、メルギブらしいなぁと思います。
奇しくも『沈黙』でもクリスチャンを演じていたアンドリュー・ガーフィールドですが、なよなよしたヘニャヘニャの笑顔、あの顔が必死な形相に変わる様にグッときますね…

ちなみに『バンド・オブ・ブラザース』に衛生兵のエピソードもありましたね。
帰って観てみたらほろ苦くてよかったです

コメントする
ゾンビ