「主義主張関係なく質が高かった」ハクソー・リッジ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
主義主張関係なく質が高かった
日本人として、正直、題材的に観賞を躊躇うところがあったけれど、相当に泣かされたし、素晴らしい作品だった。
描かれ方は、完全にアメリカ目線であり、信仰とか、あるいは日本兵の表現も“腹切り”的なもので、日本人としては受け入れがたい部分が大部分を占めていたように思う。それでも、この作品には非常に共感してしまったし、大げさに言うと、大日本帝国は完膚なきまでに敗北したのだと思い知らされてしまった。
とはいえ、そのようなナショナリズムや思想といったものを超えた、映画の質の高さを一番に感じた。
生々しい戦闘シーンや、緊張感あふれる絵づくりによって、完全に引き込まれてしまった。
作品のテーマも、立場や主義主張関係なく、ごく当たり前の事が表現されていたので、素直に受け入れることができた。
個人的には、主人公の行いに涙すると同時に、沖縄で散っていった多くの日本兵に涙していた。そういう様々な感情をかき立てられる優れた作品だと思う。
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