劇場公開日 2017年6月24日

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「「良心的兵役拒否者」が認められるアメリカ」ハクソー・リッジ 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「良心的兵役拒否者」が認められるアメリカ

2017年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

主役アンドリュー・ガーフィールドは、『沈黙』に続いて自らの信仰心、信念との葛藤に揺らぐ役。こちらの方は一切のブレがない分だけ、あれだけの残虐シーンのあとでも清々しさが残る。

ところで、攻め口はここしかなかったのか?とか、アメリカ軍が退却した隙に夜間にでも縄梯子を切断しないのか?とか、東京の空襲のように空からの攻撃を選ばなかった理由は?とか、まあ両軍ともに戦術的な疑問はある。(それは僕の無知からくるものかもしれないが)
しかし、そんな疑問はこの際関係がない。主題は、一人の平和主義者が、自ら志願して戦場に赴き、危険を恐れずに75人(敵兵まで含む)もの負傷者を救った、という事実。やってみろと言われてもそうはできまい。だからこそ、同じ部隊の連中が、彼に敬意を持つようになるのだ。

ま、日本軍だったら、「銃を持たない」って時点で集団リンチ。果ては訓練中の不慮の事故死、で帰らぬ人となっていたであろう。戦時であれ、理性を失わないアメリカ軍に勝てるわけがないよ。

栗太郎