「単なる戦争映画ではない」ハクソー・リッジ ジンジャー・ベイカーさんの映画レビュー(感想・評価)
単なる戦争映画ではない
昨年度のアカデミー賞で多くの部門でノミネートされていたので鑑賞。メル・ギブソン監督の作品は初だった。
キリスト教への強い信仰心から銃を一切持たず、沖縄戦で多くの人の命を助けた衛生兵の物語である。
まず、個人的にキャストがとてもよかったように思えた。特に兵士たちのそれぞれの個性溢れるキャラを俳優陣が見事に演じていたと思った。テリーサ・パーマーはとてもキュートだったが、ちょっと演技は微妙だったようにも思えた。
私的にある1人の兵士を追う戦争映画はとても好きなのだが、銃撃シーンなどよりもその主人公のバッググラウンドを重視してしまう。兵士となる以前の困難、あるいは戦後の困難、本作は前者だか、そこがとても見応えがある。
確かに戦闘シーンはプライベート・ライアンを彷彿させる壮大なスケールとグロテスクさである。個人的にはその戦闘シーンの描写に忠実性を求めたいところだが、メル・ギブソン監督はリアリティを追求してくれた気がする。
戦争映画によくあるのは、どこか酷くて鑑賞後に後味が悪いこと。ただそれが戦争映画のイイところなのではあるが、本作では割りと鑑賞後は心地よい余韻にひたれる。
久しぶりに「イイ映画!」といえる作品に出会った。
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