ヴァイラルのレビュー・感想・評価
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コロナ禍?
ブラムハウス製作のパンデミック・ホラー。本国では劇場公開予定だったのが配信に変わった模様。冒頭、「虫インフルエンザ」と呼ばれる感染症が蔓延し、発生源の中国が隠蔽しないように・・・というニュースの音声が流れる。
・・・コロナウイルスの事か?
製作者は当時あと数年でこんな世の中がやって来るとは思っていなかっただろうが、まさか予言のような形になるとは驚きだろう。
本作には劇中で「ゾンビ」というワードが登場するものの、ゾンビ映画ではない。あくまでも寄生虫に侵された感染者である。感染が進むと目が見えなくなり、耳の穴から虫の触手を出して人を襲う様はまるでゾンビの様だが、どちらかと言うと96年公開の「パラサイト」が近いかも知れない。
主人公らは学生であり、10代ならではの恋愛模様等も描かれている点も「パラサイト」を思い起こさせる。だが本作の場合、物語の規模が極めて小さく、ほとんど家の中の出来事で構成されているのである。その良い点は周りの情報が遮断され、孤立したような絶望感を味わえる点だ。外出禁止令が発令され、町中に人の姿が消えた様は不気味である。難点としては、絵的に見て非常に地味な所だ。時折感染者が家に侵入したり等のイベント等で盛り上げてくれるものの、全体を通して大きく盛り上がれる部分が無いのである。なので終盤まではかなり退屈だった印象だ。
だが、姉妹の強い絆を主なテーマとして描いており、それを違和感なく盛り込んでいる。テーマとしてはありきたりだが、ドラマパートも主軸をしっかりとしたからこそ、恐怖だけに頼らない作品が出来たのだろう。
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自宅(CS放送)にて鑑賞。寄生虫を介して拡まる感染系ホラー。血液から媒介し、寄生されると嘔吐、発熱、食欲旺盛等の症状が出る反面、盲目となり、代わりに耳や口から触手がウネウネ出て来る。触手や寄生虫系等のアイデアは『パラサイト('98)』を髣髴させるが、本作では規模がウンと縮小されており、ほぼ三人の登場人物のみにより物語は運ぶ。政府により隔離され、外出等が制限されてる割に街は自由な雰囲気で、他にも違和感を憶える箇所が散見出来た。B.オバマ前(撮影時の)大統領が冒頭で顔を出すが、出色はその程度。60/100点。
・じっくりと進行する展開は丁寧な作りで好感が持てるが、それらとは対照的にSEやBGMと相俟った効果抜群なショッキング系の演出が数回登場した。大きなテンポの崩れや逸脱したご都合主義等も少なく、スケール感の捉え方さえ気にならなければ良作と云える。
・感染者同士がコミュニケーションをし、共同体として意思の疎通を図る様な描写があるが、この辺りは不気味な寄生虫のイメージも重なって蛞蝓系の怪作『スラッグス('87)』を想起した。
・当初、'15年5月に翌年('16年)2月に劇場公開されるとのアナウンスがあったが、いつの間にか上映予定スケジュールから外され、'16年7月29日、本国米国内のVOD(ビデオ・オン・デマンド)上にてリリース(初公開)される運びとなった。
・鑑賞日:2018年1月15日(月)
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