劇場公開日 2017年1月17日

「工夫の跡は見られるもののゾンビものの枠組から脱け出せず」ヴァイラル 徒然草枕さんの映画レビュー(感想・評価)

2.0工夫の跡は見られるもののゾンビものの枠組から脱け出せず

2023年4月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

使い古されたゾンビネタのバリエーションの一つ。
寄生虫がゾンビを生み出すという設定だが、原因が化学薬品でも宇宙生物でも呪術でも基本的にやることは同じ。要は不死身で人間を食う、それだけであるw

本作の場合、高校生の姉妹と男友達、親たちののんびりした退屈な日常をたっぷり描いた上で、そこに突然ゾンビが登場するという日常と非日常の対比が工夫と言えば工夫だろう。
また、視点が姉妹と男友達、隣人らの狭い世界に絞られていること、多数のゾンビに何度も何度も襲われるシーンより、寄生虫に侵されていく過程をじっくり描き、その除去の努力などを描いていることにも、やはり工夫の跡が見られる。

この工夫により同種作品より若干のリアリティを感じさせるが…所詮はゾンビものの枠組から出るものではなく、最後には食傷させられてしまうのであった。

徒然草枕