「誰にでもある秘密」FOUND ファウンド MASERATIさんの映画レビュー(感想・評価)
誰にでもある秘密
主人公は、子供ゆえの好奇心からか、家族がそれぞれ抱えている隠し事を知っている。厳格な父のアダルト誌、母のラブレター、兄の鞄の生首。
家族が殺人鬼だったら?そんなこと考えた事もないが、自分が主人公と同じ年齢だったら、同じ行動をとっていたかもしれない。多感な年齢ゆえ、怖いけれども見てみたいという感情に陥りそうだ。
こんな事を考えさせられるほど、本作はリアリティーに溢れている。登場人物の反応などが妙にリアルなのだ。
ジャンルはスプラッタホラーなのだろうが、本編にそのような描写はほぼ無く、劇中で登場する「HEADLESS」という映画が異様なまでのスプラッタを披露する。その作品が鍵となっているという訳だ。
一種の青春映画でもある本作は、子供目線で描かれているからこそ感じる恐怖感が面白いのだが、ややスローテンポなのが難点か。この手のインディーズ系の映画は80分位が丁度良い。それが観ていて疲れの出る原因なのではないか。正直中盤は集中力を切らしてしまった。画力や表現力は文句なしの完成度。やや演技があれれな役者もいるが、注目されるだけの理由は十分に分かる。この監督は間違いなく心に闇を抱えているに違いない。
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