「12歳のドキュメンタリー」FOUND ファウンド Fat muffinさんの映画レビュー(感想・評価)
12歳のドキュメンタリー
作品のクオリティは学生が自主制作してコンクールに出してみたよ!っていうレベル(笑)
カメラワークも酷い。演技も「おいおい勘弁してくれよw」と興醒めするくらい酷い。
いじめっ子が暴力を振るうシーンは芸人がコントでツッコミを入れる並みにわざとらしく失笑。
ツッコミ所も多々あり。
まあ製作費が約100万(笑)だから納得だけれども。
だけどこの映画の良さは映画映画してないところ。B級なのにB級じゃない。
12歳の男の子視点だから不安定さとチープな感じがまた良い味だしてるのかな。
ホラーというよりスプラッターより。
グロ耐性がある私でもこの作品は精神的に結構きました。
まず兄のサイコパス具合いがリアル過ぎて怖い。
「HEDLESS」のテープの箱に貼り付けてあったメモや、異常なまでの弟への愛情、あり得ない性癖...
多くを語らないし、理解出来ないから余計怖い。
それから今でこそ人種差別がかなりセンシティブなアメリカ社会で兄がハッキリ言った殺人の理由...
ここまでダイレクトにアメリカの人種差別のタブーを映してる作品も滅多にないと思います。
冒頭で白人が黒人に対して絶対使ってはいけない言葉を父親が子供の前で平気で発言するシーンに衝撃を受けたし、途中で耳を塞ぎたくなるような人種差別発言もありました。
父の影響で人種差別者になった兄、息子がグロテスクな映画を借りるのを止めない母、サイコパスの兄に影響されて心優しかった弟が暴力的になっていく...。
いじめられても大人も親友も理解してくれない。
あえて大げさには描写していないけれど、ほんの些細な人との関わりも自分では意識していなくても自分を変えていく。
教育のあり方って大事だとも思わされた。
この作品って妙にリアルな箇所が多々ある。
日常がリアルすぎて怖いんです。
アメリカに住んだ経験のある方でサイコパスちっくな方はかなり楽しめると思います(個人的な意見)。
私的には奥が深くてかなり面白い作品だったけど後味の悪さはMAXです。