「終わり無き戦いにどうケリをつけるか?」亜人 しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
終わり無き戦いにどうケリをつけるか?
DVDで鑑賞。
原作は未読、アニメ版も未見です。
死なない者同士の戦いにどうやってケリをつけるんだろうと、公開当初から気になっていましたが、映画館に観に行けなかったのでようやくの鑑賞となりました。
佐藤健のアクションは「るろうに剣心」を経てさらに洗練され、流石のキレに惚れ惚れとしました。突然亜人になってしまった者としての苦悩も上手く表現出来ていましたし、佐藤との対決に赴く姿がとにかくカッコ良かったです。
佐藤役の綾野剛も絶品。全身から発散する怒りと狂気が、常に薄笑いの表情と共に画面から溢れ出て来る様でした。「仮面ライダーファイズ」の時よりもパワーアップした怪人具合に、懐かしくなると同時にビッグになったなとしみじみ…
他の出演者のアクションも見逃せませんでした。特に川栄李奈の戦いぶりは、MCUのブラック・ウィドウを髣髴とさせました。小柄ながらも激しいアクションをこなしていて圧巻でした。AKB48時代のダンス経験が活きているのかも…
死んでも生き返る亜人同士のエンドレス・バトルが本作最大の観どころ。VFXを駆使したアクションに興奮しました。
まさに「Dead and Alive」な戦いの連続にハラハラ・ドキドキ。大怪我を負っても自殺すれば生き返って元通りとは…
対抗手段としては麻酔で眠らせてから拘束するしかありません。確かにそれしか手立ては無いよなぁ、と納得(笑)。
マジョリティーとマイノリティーの問題が亜人同士の戦いとして比喩的に描写されている気がしました。
現実の戦いはきちんと終わりを迎えて欲しいと祈るばかりですが、果たしてどうケリをつけるか?
とても大きく、難しい課題だと思いました。
[余談1]
激しいアクションと流血の応酬の中、主人公の妹役の浜辺美波の可憐さに癒されました。彼女の存在は血生臭い物語に一服の清涼感をもたらしてくれているようで、いてくれてありがとうと心の底から思いました。何よりかわいいからなぁ…(笑)。
[余談2]
監督が本広克行なので他作品とのリンクが無いかなと思っていたら、SATの中隊長役で高杉亘のお姿が!―ちゃんと短波無線機を持っていて、細かい遊び心に嬉しくなりました。
※修正(2023/03/22)