「原作のイメージを持ったままだと」亜人 yk11さんの映画レビュー(感想・評価)
原作のイメージを持ったままだと
予告通りアトラクション映画、アクション(演出)は良かった。けどストーリー(脚本)が雑過ぎる。実写と聞いて正直不安がありました。が…その不安は的中してしまいましたね、今作の良かった点と悪かった点をそれぞれ挙げます。
とても長くなります。
良かった点
(アクション)役者さん達の動きはとても素晴らしくて綾野剛さんの動きは特に凄まじかったです。
(CG)登場するIBMの動きが雰囲気出てました
悪かった点 ネタバレ注意
(説明不足)まずいきなり主人公が捕まって実験されてます、その経緯が殆ど触れられていません。何故捕まったのか?とか、そして亜人はただの不死身の存在というだけで、それ以外の亜人の能力(魅了)とも言いますが一切説明抜きです。これだと原作やアニメを観たこと読んだことが無い人の半分は置いてきぼり状態だと思います。
(キャラクター像の改変&持ち腐れ)
これは一番気になった点です、キャラクターそれぞれの過去に変化がある点、そしてその説明不足、まず(佐藤)というキャラを本来の(遊び人)という性質から(復讐者)にした事について、(佐藤)というキャラの最大の魅了は何を考えているのか解らずそれでいて強く恐ろしく気まぐれで物事に拘らず何処までも自由という点で、何か悲惨なエピソードがあるわけでもなく日本のゲームが好きだからという理由で日本に来た中国系アメリカ人元精鋭部隊出身者で、日本を攻撃してるのはゲーム感覚、今作の佐藤はそれとは違い復讐という明確な目的があり、あの性格もそこから来ている様な模写で20年もの間隔離実験を受けていた日本公式亜人の一体目ということになっています。これは恐らく原作の田中との生い立ちを混ぜて作りあげた人物像なのだと思いますが、これだと本来何を考えているのか分からないという不気味さが薄れて人間味のあるキャラになってる感じです。そしてキーパーソンである筈の三人カイと中野とオグラさんが出てこないんですね、ちょっと驚きました。三人ともけっこう重要キャラなんですけどね、中野らしきキャラは一瞬出てくるのですが一瞬で捕まってドラム缶に詰められます(笑)そして、泉というキャラも彼女は何故亜人でありながら政府の下で働けるのか?その経緯や過去が一切説明されないんです。原作だと説明されてるので既読なら理解出来ても未読だと何故だ?ってなりそうで、そして田中も本来田中は10年間政府に人体実験を強要されて人間に対して強い憎しみを抱いています。が根がとても善人なのでその辺の葛藤も描かれやがて佐藤とも対立していきますが、今作だとなんとなく佐藤に付いていってる付き人状態で最後も呆気なく退場させられています。他にも平沢という圭に大きな影響を与える筈のキャラも何となく出てきて一回短い会話をして唐突に殺されてしまいました。これで圭が怒り何かを決意した感じになりますが全く感情移入出来ません。
そして最後に圭についても、(合理的ではあるが冷酷という訳ではない)という性格がイマイチ表現出来てない印象でした。
結論(色々ごちゃ混ぜにしている)
それぞれの場面で原作アニメオリジナル要素を混ぜ過ぎていて、更にテンポが早過ぎな印象です。どれか一つの要素で絞り、二部構成とかにしてストーリーとキャラの生い立ちなどを掘り下げた方が分かりやすく面白くなったのでは?と思いました。そしてオチが雑過ぎます、結局最後にどうなるのか?解釈はそれぞれの視聴者で出来ますがその解釈するための材料が無さ過ぎです。