「壮絶アクションに挑む役者たちの本気度が伝わってくる」亜人 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
壮絶アクションに挑む役者たちの本気度が伝わってくる
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冒頭からその容赦のない世界観が突き刺さった。主人公が幾度も体感する“死と再生”の感覚を目で感じ、亜人と呼ばれる能力者たちがリセットする際に壮絶な“痛み”が伴うことを、身を持って突きつけられるのである。この設定条件をうまく観客に提示した上で、すぐさま同じ亜人勢力による奇襲攻撃を投入。さらに彼らに対抗するために昨日の敵が今日の共闘者となっていく展開を中だるみせずにテンポよく抽出。その点はさすが『踊る』シリーズで鳴らした本広演出の真骨頂と言えるだろう。
さらに戦闘アクションも魅せる。とりわけ接近戦で炸裂する複雑な動線を伴うコレオグラフィーには、役者たちがそれぞれ限界まで自らを鍛え上げて撮影に挑んでいる様が伝わってくる。
完全なるフィクションとは思いながらも、ふとSNSで簡単に自らをリセットできるこの時代、実は亜人たちの感覚は現代人の中に少しずつ芽生えつつあるのではないかという思いすら感じた。
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