逆光の頃のレビュー・感想・評価
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【”美しき京都の街並み、寺社仏閣が佇む中、高校生の僕は様々な経験をして大人になった。”一人の高校生男子が、同級生の女子との恋、友との別れ、喧嘩を経験しながら成長する姿を描いた物語。】
ー 今作は、高杉真宙演じる高校生の孝豊と、恋人みこと(葵わかな)の姿や、ロックミュージシャンを目指す公平(清水尋也)、不良の小島(金子大地)と孝豊の関係を美しい京都の街並み、寺社仏閣の佇まいを背景に描いている。-
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・冒頭、孝豊がドロップハンドルの自転車で、朝の陽光が降り注ぐ祇園白川の石畳の、脇には軒先に犬矢来が据えられている町屋が並ぶ中を走って行く光景が、美しい。
・今作の小林啓一監督は、傑作「殺さない彼と死なない彼女」でも、陽光の捉え方がとても巧い。特に逆光の。
そして、今作では夜半の満月や、緑薫る中に降る雨の捉え方も、美しい。
・物語は冒頭に記した内容を、2編に分けて描いているが、取り訳後半の「金の糸」が良い。孝豊は、不良の小島にみことといる時に絡まれて、みことから”あんな奴、バーンって出来ないの?”と言われた後に、伝承工芸である截金職人の父(田中壮太郎)が、若い頃寺社の山門の下でヤクザと喧嘩するアニメが差し込まれ、孝豊は、不良の小島と雨が激しく降る中喧嘩する。
そして、家に帰った時に父から初めて、截金を教えて貰うのである。
<エンドロールで流れる、”ニュー・オーダー”の名曲「Cerenony」のカヴァーヴァージョンも良い。今作は未来がまだ見えない高校生男子が様々な経験をしながら、成長する姿を、京都の美しい風景を背景に描いた物語なのである。>
五感で愉しむ京都
京都を舞台にした約1時間の青春群像劇。
話は「僕は歪んだ瓦の上で」、「銀河系星電気」、「金の糸」の3編に分かれていたので、とても観やすかったです。
気軽に観れます。
全体を通して、静かで厳かで流れる情緒あふれる空気感は京都の空気感そのもの。
大文字だったり、鴨川(でしょうか?)だったり、自然の美しさと風鈴の涼しげな音や雨音に心奪われます。
勿論、孝豊とみことを軸としたストーリーも良かったです。
小林監督らしい少年少女たちの青春の描き方。
静電気や手を繋ぐといった何気ない一つの行動で2人の関係だったり、距離をここまで描けるのは毎度流石です。
静かな喧嘩のシーンも雨の音と重なって美しかった。
現実世界にアニメーションを重ねるのは少し疑問点でしたが、映像なのに五感を使って愉しめるような感じが清々しい、好きな作品になりました。
コピーバンドにギャラ????
主人公が朝からチャリですれ違う同級生のバンドマン。この時間からリハらしい。熱心な、そんなことあるのか、と思っているとライブハウスのシーン。なんと演奏してるのはジョイディヴィジョンのセレモニーである。コピーバンドかよ!
しかもライブは夕方前にハねて(そんなライブあるの?)、ギャラでなんか食いに行こうとか言ってる。コピーバンドにギャラって一体なに?もう映画の内容どころではない気分だ。
多分、オリジナルの曲は別にあってセレモニーだけがコピーだったのだろう。オリジナル曲なんてダサくて使えないもんね。でもどっちにしてもギャラなんか出るわけがないけどね。不親切な映画の描写であるのは置いといてだがそれにしても、イアンカーティス亡くなってるけどこの曲の使用料とか著作権関係はどうなってるんだろう。もしかして作曲者が死んでると使用料がすごく安いとか、あるのかな。
高杉真宙の劣等感を「才能のある奴はええなー」と普通に生きてる人は絶対言わない独り言にしてみたり、副音声的に心の声を入れてみたり、そんな事しちゃったら高杉真宙が普通の高校生に比べて何も考えていない、悩みもない、ある意味この世に存在するかどうかも怪しい凡人でしかないという事がバレるだけじゃないか。
青春像だか、京都だか、
京都に住む高校生の青春を描いた作品。
映像は作品規模の割には美しく綺麗。
シーンの切替や実写の中にアニメを入れる等ちょっとした工夫がありますが、個人的にはそれが映画をじっくり観たい感情を削ぎプラスになっていなかった。
作品に出てくる全ての俳優、どうにかならなかっただろうか?少しカタコトで素人集めた感あり。
やりたい、語りたい高校生青春像が時代変われども、やっている事が1980年代の内容。尾美としのりや富田靖子など出てきそうな雰囲気である。
ぽつぽつ京都らしい映像が出てくるが、突発的。
なんだかな、、、、
高校生活、キャラクターと脚本、京都が噛み合っておらんのですよ💦ツッコミ所満載やし。
これが映像化前の詩集やら、文庫やらだとしたら、買わないなw
(原作の事では無い。映画から原作への興味が湧かないの意味)
心地よい空気感
原作の空気感を見事に映像化
タナカカツキの漫画読んでいたのでどんな風に映像化したのか期待しながら観た。
京都を舞台に学生時代の日常を描いたごくシンプルな話。ただこれは滲みた。過ぎ去った青春はもう帰ってこないのを知ってる人間には。
主演の二人の澄んだ存在感。このキャスティングだけで合格です。(葵わかな可愛かったなー)風景も全て美しく撮れてた。
製作側の原作に対するリスペクトした作りに感じ入りました。
雰囲気モノ
動く写真のような映画
夏の京都の情景と一つ一つの画があまりにも綺麗で、カメラもあまり動かないので、なんだか高校生のささやかな出来事を切り貼りした動く写真のアルバムのような映画だなと思った。
冒頭と終盤のボケ〜っとした高杉真宙の大きな眼に吸い込まれそうになる。
所々でアニメーションが入るのが新鮮でポップさを足してくれて楽しい。
赤田と立花の幼馴染ならではの距離感が瑞々しく、少しずつ少しずつ成長していくさまが愛おしい。
透明感ある役者陣と全体的に抑えめのトーンが心地よくて、66分と短めだけどもっとずっと観ていたいと思った。
でもその反面短めなのが効果的で良かったとも思える、不思議な感覚にもなった。
最後のナレーションの台詞になんだか強く揺さぶられ、エンドロールで涙がボロボロ溢れてきてしまった。
所々にアニメーションが入っているのが新鮮で面白い
映像美のオンパレード
京都へ行きたい
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