「やっつけ仕事の印象が強い」劇場版 はいからさんが通る 後編 花の東京大ロマン コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
やっつけ仕事の印象が強い
多少の割愛要素はあったが、ほぼ漫画原作のとおりにアニメ化。
この「原作のとおり」が曲者。
漫画単行本のプロモーションビデオとしてはまぁまぁながら、2018年に上映される単体の映画として、なんの工夫もないはどうなのよ、と。
可もなく不可もなく……、いや不可はあったか。
原作や旧アニメから要素を丁寧に拾って、今の時代にも通じるように再構築しリブートされた「前編」と違って、この「後編」はやっつけ感が大きい印象だった。
キャラの自問自答な独り言ばっかりで、全然物語が進まない。
『皆さん原作読んでるから、動いて声出てればわかるよね』『重要なシーンほど割愛、セリフで説明処理』って、原作物の陥りやすいパターンに、はまってしまってるような。
推測に過ぎないが、「原画動画コストを極限まで削って、予算もスケジュールも間に合わせた」のではないか?
動きや表情で演技させる演出が少なかった。
さらに、全体的な作画の粗さは目立つし、キャラの顔も頭身もコロコロ変わるし、やたら引きの棒立ちと顔のアップが連続するし。
と、見栄えも悪い。
39年前、モスクワ五輪がらみのTV放送枠調整で、アニメ化されなかった部分のリベンジではあったはずなのだが。
今のこの時代に作る意味を喪失していたように思いました。
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