「外見はいいと思うけれど、中身はハリウッド映画用の共通部品でできているサイボーグ映画。」ゴースト・イン・ザ・シェル Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
外見はいいと思うけれど、中身はハリウッド映画用の共通部品でできているサイボーグ映画。
原作は読んだことがないけれど、アニメ劇場版映画の『攻殻機動隊 スタンド・アローン・コンプレックス』は見たことがある。
『攻殻機動隊』は、『ドラゴンボール』や『ワンピ』や『ナルト』とかが有名になる前から海外で評価が高った作品。
他には『AKIRA』とか評価が高いようだった。
『北斗の拳』もハリウッドで実写化されているし、有名だったと思う。
ハリウッドの日本マンガアニメの実写化と、いうと原型をとどめないくらい変えてしまう作品も多いけれど、本作はすごくリスペクトしていて、名シーンなど織り込みながら忠実に作っていた。
出演者は外国人ばかりなのだろうと思っていたけれど、東洋人(中国市場用かも?)が多くて、北野たけしさんや桃井かおりさんも出演していた。
スカヨハが草薙素子ではおかしいのでは?とも思ったけれど、なんとなく顔が濃い東洋人に見えるところもあって特に問題ないと思う。(人種というかサイボーグだし・・・)
『ゴースト・イン・ザ・シェル』のゴーストというのは、体を機械化していった時に、最後に残る人間の部分(魂?)みたいな意味らしい。
最後に残る人間の部分とはなんだろう?
最近ではAI(人工知能)などもあるし、未来の話だからほとんど人間と区別がつかないだろうし、能力はAIの方が優秀なはず。
たぶん『ハドソン川の奇跡』みたいな予想もつかない事態になった時にも対応できるひらめきとか、計算できないパワーというか根性というか、火事場のくそ力みたいなものかもしれない。
映画的には最後に残る人間らしい部分は”愛”であるみたいなところでまとめたいところなんだけど、そういうわけでもなかった。
結局この映画ではゴーストというのは人間だった時の記憶とか感情であるみたいなことになっていた。
究極的に『人間とは何か?』ということに関わってくる問題。
そういう深淵なテーマをハリウッド映画が使う共通部品みたいなストーリーに組み込んで作っているので、説得力がなくてやや不満だった。