「パパパパパパパパパ」光(大森立嗣監督) いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
パパパパパパパパパ
まだ起きていない脳のままで鑑賞したのでうまく飲み込めなかった。一寸残念ではあるが、一応感想を。
勿論、原作未読なのでラストの相違は不明。アバンタイトルのBGMがEDMなのでそのけたたましさとおどろおどろしい雰囲気を醸し出す演出に、この先の不穏な想像が掻きたてられるストーリースタートである。R15指定なのではあるが、まぁ初っぱなの未成年レイプシーン、その先の濡れ場等々も鑑みてのことではあろう。
多分、テーマは『従属』。それが連鎖している様を如実に生活を蝕みながら、どうしようもない『業』の中で突き進んでゆくシークエンスである。井浦新、瑛太、ハセキョウはそこそこの演技であるが、橋本マナミのバストトップ無しは頂けない。そうでなくても何だかフワフワした演技だし、まぁ素人ぽさがこの人のキモなんだろうけど、ならば裸一貫で頑張れっていいたいね。疲れたヒップのバックショットなどは写真週刊誌でイヤと言うほど披露しているのだろうから、映画ならばもっと本腰入れて欲しいというのが本音である。
それと対照的に、今作、とにかく子役が大変光っていた。特に5歳の女の子、ツバキちゃんは大変素晴らしい演技である。この子がでるシーンは全て持って行く。特に母親に叱られているシーンはとてもリアリティと哀しさを力一杯表現していて目を見張るばかりだ。今後の映像での活躍を期待したい。
結局、はからずも事の顛末を知ってしまった妻、女のために弟分をも殺した夫、共々、この先の顛末には明るい未来は感じられないバッドエンドで終わるのが正しいと思う。色々考えさせられる、特に瑛太の父親役の平田満の演技に、自分の父親を重ねてしまうことは、今作品のシンクロ率の高さを感じざるを得ない。文学作品の映画化は非常に助かると改めて心に刻んだ作品である。