素晴らしきかな、人生のレビュー・感想・評価
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脚本の巧さと役者たちの名演に拍手
アメリカでは家族揃ってクラシック映画『素晴らしき哉、人生』を観るのが定番のクリスマスの過ごし方。この誰もが知る名作映画に着想を得たという本作は、絶望の淵に立った男の変遷をファンタジーではなく、極めてリアリティに即したヒューマンドラマとして紡ぎだす。
その中心にあるのはやはり脚本だ。豪華な俳優陣がタペストリーを成すようにこぞって共演を快諾したのも脚本の素晴らしさに要因がある。最大の特徴は、“天使”が救済しにやってくるのではなく、“舞台俳優”たちが主人公の前に立ち、彼の魂に向けて語りかけるところ。この奇想天外さ。そこから染み出してくるヒューマニズム。決して予定調和に陥らない“驚き”を終始持続させ、見終わった後、まるで陽だまりに触れたような感慨をもたらしてくれる。いつもの機関銃ぶりとは180度違い、ほぼ無表情、無言を貫き通すウィル・スミスもまた新鮮。役者たちが添える名演も相まって思いがけない掘り出し物だった。
3.4最後まで気が付かない
最後まで気が付きませんでした
「名前」を言っての意味がわかったときにそういうことかーとなった。
三人の中で一番クールだったのはtime
『Collateral Beautyを見逃さないで』 なるほど、な...
『Collateral Beautyを見逃さないで』
なるほど、なるほど、
やっと、NETFLIX(アメリカ映画も)も、ひねる事を学習したようなだ。
史上最低邦題決定戦、優勝最有力候補👑 素晴らしいかなぁ、この映画…?
人生に絶望した会社経営者ハワードが、ある不思議な出会いを通して自己を見つめ直してゆくヒューマン・ドラマ。
主人公ハワード・インレットを演じるのは『メン・イン・ブラック』シリーズや『スーサイド・スクワッド』の、レジェンド俳優ウィル・スミス。
ハワードの親友で共同経営者、ホイット・ヤードシャムを演じるのは『ファイト・クラブ』『グランド・ブダペスト・ホテル』の、名優エドワード・ノートン。
「愛」を演じる役者、エイミーを演じるのは『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズや『はじまりのうた』のキーラ・ナイトレイ,OBE。
ハワードとホイットの友人で経営幹部、サイモン・スコットを演じるのは『アントマン』『オデッセイ』のマイケル・ペーニャ。
同じくハワードとホイットの友人で経営幹部、クレア・ウィルソンを演じるのは『タイタニック』『ホリデイ』の、レジェンド女優ケイト・ウィンスレット,CBE。
「死」を演じる役者、ブリジットを演じるのは『RED』シリーズや『モンスターズ・ユニバーシティ』の、レジェンド女優デイム・ヘレン・ミレン,DBE。
1946年公開の映画『素晴らしき哉、人生!』。公開から70年以上経った今でも、史上最高の映画の一つとしてよく名前が挙げられる名作中の名作である(観たことないけど😅)。
本作は、この46年版を現代風にアレンジしたリメイク作品ではない。
…………。
そう、リメイク作品ではないのである!!
リメイクでもリブートでもリマスターでもリミックスでもない、全くの別物。それでこのタイトルって、そりゃ詐欺ってもんですよ💢
ちなみに原題は『Collateral Beauty』(幸せのオマケ)。
『素晴らしき哉、人生!』(原題:『It's a Wonderful Life』)とは全く関係ない。
つまりこのタイトル詐欺は日本の配給会社が勝手にやったことなのだ。
これはあまりに酷すぎる…。訴えられてもおかしくないほどの暴挙!!
大体、本作と『素晴らしき哉、人生!』って、作中の季節がクリスマス・イブって事くらいしか共通点ないじゃん!いい加減にしろマジで!!
というか、内容的にはむしろ『クリスマス・キャロル』の方が近くない?どうせタイトル詐欺で釣るならいっそのこと『ウィル・スミスのクリスマス・キャロル』にしちゃえば良かったんじゃない?
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(原題: 『Guardians of the Galaxy Vol. 2』)や『黒い司法 0%からの奇跡』(原題:『Just Mercy』)など、気でも狂ったかのようなダメ邦題は多々ありますが、悪質さという点では本作が圧倒的なのではないでしょうか?
「史上最低邦題決定戦」が開催されれば、間違いなく本作は優勝候補の筆頭となるでしょう!!
と、映画の内容とは関係ないことをツラツラと書き綴ってしまいました😛腹が立ったんだもん。しょうがないよね。
まぁ正直、映画の内容は特に語ることない。97分という短めのランタイムで、とっても観やすかったです。ここはとっても美点。
サクサク観れるし、嫌いなタイプの映画ではないんだけど、オスカー級の超豪華キャストを起用してまで撮る必要あった?というのが率直な感想。
絶望の淵にいる男の下に、「死」「時間」「愛」を名乗る3人の男女が現れる。3人と会話を続けていくうちに男の心境にだんだんと変化が訪れる…。
と、話のさわりだけ聞くと「おっ!結構面白そうじゃん!」と思うのだが、この設定が上手く作用していない。だって主人公、この3人とほとんど会話してないんだもん。
それぞれと2回づつくらいしか顔を合わせないため、この出会いにより彼の心に変化が…、とか言われても全然ピンとこない。
大体この設定でいくなら、彼らの正体はエドワード・ノートンたちが雇った役者である、というネタは後半まで伏せておくべきなのでは?冒頭でバラしちゃってるからせっかくのファンタジー感が薄れてしまってる。
「死」「時間」「愛」が目の前に現れた!嘘だろ!?→と思いきや、実は彼らの正体は役者でしたーテヘペロッ⭐︎→と思いきや思いきや、やっぱり彼らは形而上学的な存在だった…のかも。
この方が、展開に起伏が出来てストーリーが面白くなったような気がする。
セラピーの相手が実は別れた元妻でした、というのが本作のオチ。
観客をビックリさせようとしたのはわかるけど、これはちょっと展開に無理がありすぎる。
「君の名前は?」とかウィル・スミスが聞いてたから、そりゃ観客としては「ウィルと彼女は初対面なんだな」と思うけどさ。それってつまり、自分の元妻の顔すら認識出来ないほどウィル・スミスがイカれちゃってたってことでしょ?
それは流石に突飛すぎるというか、そこまで狂人と化していたらそれはもう即座に入院させた方がいいよ😅
これならまだ、あのセラピーの女性はウィル・スミスのイマジナリー・フレンドだった、という展開にして『ファイト・クラブ』みたいにしちゃった方が飲み込みやすかったかも。ちょうどエドワード・ノートンも出演してることだしさ。
「死」「時間」「愛」が、実はウィル・スミスだけではなくノートン、ウィンスレット、ペーニャ、それぞれが向き合わなくてはならないものだった、という展開はなかなか考えられているな、と思った。
ただ、3人それぞれの葛藤と解決を描き切るには97分というランタイムでは到底足りない。ウィル・スミス1人分ですらあんまり描き切れてなかったからね💦
ウィルとノートンだけに焦点を当てるとか、もう少し登場人物が整理されていれば、もっと物語に深みが出たかも知れない。
絶望した人間が回復する物語って大体みんな好きなジャンルの筈。役者の力量も申し分ないし、ファンタジックな設定も良い。
それでここまで薄味に感じるっていうのは如何なものか?もっと面白く出来る題材だと思うので、なんだか勿体無い気がしてしまった。
監督は『プラダを着た悪魔』のデヴィッド・フランケルか…。この人の作品とは肌が合わないのかも😓
感動
人に勧められたものを片っ端から見ていて、ウィルスミスが主演なのですぐに見ちゃいました!
お話の内容は愛娘を亡くした主人公が打ちひしがれている所から始まります。愛娘が亡くなってから2年の月日が経つも立ち直れないまま。5日間でドミノの超大作を仕上げますが会社は傾く一歩…
死、時間、愛に関してはすごく心揺さぶられました。
特に時間。
私が布団に入ったときふと「なんで1日は24時間なんだろう。もっと増えればいいのに」と呟いていました。
今回その内容が出てきたので図星を突かれたようでした。
時間の概念も勝手に人間が造った物なんですよね
今回、主人公が届くわけもないと出した
死、時間、愛への手紙が、手紙に応えるため、残り時間の少ない人に応えるため、愛を思い出して欲しい人に応えるため死、時間、愛を動かしたのだと思いました。手紙を出していなければ始まっていなかったと思います。
ある別のドラマですが
人間はちょっぴり寂しい。なぜなら死をいつも身近に感じているから。だから、人間は必死に人生を生きる
とありました。
もし人間が不老不死だったら終わりがなくずっと長く続く人生に脳がバグを起こしてハッピーゾンビになっていくかもしれません。
終わりがあるからこそ人を必死になるのかも…
素晴らしきかな、人生
いつなんどき何が起こるかわからない
いつも今を大事に生きていく!
何も解決しないのに泣く
鑑賞後の気持ち
感動・満足感
鑑賞後の心の変化
死を含め人生のあらゆる苦しみは逃れることはできない。
受け入れることしかできない。でもそれは前進であるということ。
鑑賞後の行動の変化
特になし
好きなシーン
娘の死を受け入れられなかった主人公が娘の名前を呼び、死因を再確認して、苦しい事実を受け入れながら進んでいるシーン
嫌いなシーン
ない
感動
主役たち4人とも良いキャラだった。
アクションじゃないウィル・スミス珍しい。
ポップじゃないマイケルペーニャも珍しい。
女好きのノートンよかった。
ケイト・ウィンスレットとキーラ・ナイトレイ綺麗。
ながら見してたから最後の大事なシーン見逃してた、、。
奥さんの子供の名前と死因を話しているところ。
感想見てたら2人は元夫婦だったことを知った。
初見でちゃんと見てたらすごい感動したと思う。
面白くないし、消化不良
いい感じ風に作ってるけど、分かりにくいし、おもんない。
娘死んだら悲しいのはわかるけど、いい大人が会社の人たちみんなに迷惑かけて、同じ思いしてる奥さんに寄り添いもせず、初めまして的なんおかしいやろ。
完全にただの病気やん。会社できるわけないやん。
そんで、あの役者達何?
あれきっかけになったか?イマイチ伝わってけーへんし。
それに会社の同僚も死ぬ病気とか重いし。
単純に面白くなかったし、感動もしなかった。
ラストの解釈は?
ラスト、愛、死、時間の3人が橋の上で消えていたのは、本当に愛と死と時間だったからなのかな。
アマプラの最後についてるメイキングでみんなが寓話って言ってたので、このことなのかと。
映画の内容としては、時間のセリフが一番グッときた。
こんなに与えてるのにって。
無駄にしてる自分がいるよ。
ラストがみんなが焦ってだけど、結局ちゃんとボスは会社にお金を残してて、でも、ボスは会社を失ってハッピーエンドなのだろうか?
いまいち感動しないのは、あまり状況が変わったようには思えないからかな?
誰に感情移入すればいいかもわからない。
ウィルスミス視点で作った方が良かった気がする。
題名のコラテラルビューティが幸せのオマケって訳もどうなのか?邦題全然違うし
ん?どゆこと? (病んでて)奥さんって分かってなかったの? あの3...
ん?どゆこと?
(病んでて)奥さんって分かってなかったの?
あの3人は幻覚だったの?
だとしたら何で同僚たちとコンタクト取っていたの??
同僚たちもあの3人とコンタクトを取るよう導かれていたってこと??
全てが繋がっている映画
息子や娘を亡くしどうしようもなくなっていた父親を死・時間・愛が慰めたり叱ってくれる映画です。ラストで鳥肌が立ちました。
今人生の何かに迷っていたり、自信がなかったりする人にはこの映画をお勧めします。
僕は時間が迫ってくるのが怖くて怖くて仕方ない人間だったのですがこの映画で少し響きました。
人間が悲しみを消化する過程
ウィルスミスがどん底に悲しい役第2弾。以前は7つの贈り物で婚約者を亡くしていたが、今回は6歳の娘。
物心もついているし、成長してきて出来る事話せる事も増え、思い出も沢山の6歳児を亡くしたら、死を受け入れたり乗り越えたり早々できるはずがない。珍しい病気故なので、覚悟する時間が多少はあったかもしれないがそんなのいくらあっても足りないのはよくわかる。本作では、3年経っても全ての物事に興味を失い生気を無くしている。
そこで、彼が経営する会社の同僚達がこのままでは会社が立ちゆかないと、会社を売却するために、彼がまともな精神状態ではないと証明する証拠を撮ろうと劇団員を数名雇うのだが。
元々ウィルスミス演じるハワードは、「人は愛・死・時間」どれかのために行動し価値を見出すと信じる行動理念で、会社でもそれに沿った広告を作っていたほど。しかし今は、どれだけ愛してもどれだけ時間が経っても娘は戻らないのだから、愛も死も時間もどれもが憎らしく腹立たしく、愛や死や時間に手紙を書くほど。
なので、ならば劇団員が愛や死や時間に扮しハワードに話しかけ、再起のきっかけを与えようとするものの、思うようにはいかない代わりに、ハワードは彼らに悪態や怒りをついにぶつける。そして、見えないはずのものが見えている自分に不安も感じ始め、同じ境遇の人達と経験を語り合うセラピーの輪のような集会に参加し始める。
その集会を開いている女性マデリンも娘を亡くし、子を亡くした親の8割が辿ると言われる離婚を経験した経緯がある。娘の人工呼吸器がはずされる時に、「死の先には幸せのおまけがあるから見逃さないで」という助言をある女性から受けていた。そして、娘の死後一年経ってやっと、何をしていても涙が出てくるようになり、でも悲しいのではなく、全てと繋がっていると感じられるようになった、これが「幸せのおまけ」だと気づいたと話してくれる。
ところが、このマデリン、実はハワードの妻だったというオチ。お互い思い合っていても、娘を亡くし失意に暮れて、離婚を選択した時に、ハワードが「もう一度他人同士で出会えたら、、」と書いた手紙を渡していたから、マデリンはハワードとの再会で他人のように接したのだろう。子を亡くした事実は永遠に変わらない、元には戻れないのに、大好きな妻と、夫婦2人変わらず何事もなかったかのように愛し合ってはいかれない、と考えて離婚を選択する夫婦8割やハワードの気持ちは容易に想像がつく。でも、同じ子を持ち、その子を亡くした痛みを最も共有し癒し合っていかれるのもまた妻で。
結婚前や、結婚後の不倫だなんだを経ての復縁を描いた作品は数あれど、夫婦にとって最も悲しい子を亡くした後に復縁する究極の夫婦愛を描いている作品。
で、不思議なのは、妻に幸せのおまけの助言をくれた女性は、実は劇団員の中で、死の役を演じていた年配の女性。彼女は、ハワードの同僚の中で末期の病を抱える男性にも、死について家族にも覚悟する時間が必要、など助言をしており、おそらく大切な人を亡くした経験がある人。
今は当事者として辛さ苦しみ空虚感にもがくハワード夫妻だが、「時」を経て、その「死」の経験さえもが誰かの気持ちを楽にし誰かを助ける「愛」に変わりゆく事がその女性から予見させられる。
所謂みんなが思う「愛」は、不倫の末離婚した女好きなハワードの同僚が劇団員の若い女性を少し色めかせたりという場面に象徴される「恋」や、不倫して娘を失いそうになって初めてどれだけ娘が大切か気付く「家族愛」に近い物が多いが、愛は必ずしも恋人同士や家族間にだけ存在する物ではなく、精子バンクから得た子供や、それすら年齢的に難しければ養子で得た子供とでも愛に満ちた関係性を作る事は可能であると、別の男性劇団員がハワードの女性同僚に助言する場面もある。しかし、愛を注ぐ機会を突然奪われる場合もあるからこそ、愛情を遠慮したり惜しむなというメッセージもあり、目の前の人々にどれだけ全力で愛を伝えているか考えさせられるとともに、絶対にどこにも消えないで!と今すぐ家族を抱きしめたいと思わせてくれる作品。
「死」は多くの概念では、別れではなく魂は永遠に生き続けるのだから拒まず受け入れろ、という内容が多いが、大切な人の死を実際に経験すると、拒めるなら避けられるのなら絶対に嫌なことだし、何年経てば消えるなどと人間が勝手に決めた時間の区切り方で簡単に計れるほどの悲しみではない。
せっかく人間は社会性を持ち、他の人間と関わる事で変化していける生き物なのに、人間だけができる、理性という名の感情コントロールが邪魔をして、人目を気にせず思いっきり悲しんだり、思いっきり愛したり、助けを求めたりができないことがよくある。そして、強いストレスがかかると、失語になったり喋り続けたり誰もいないのに怒鳴ったり、人間として持って生まれた機能が機能しなくなることすらある。
でも、それでも良い。一度人間としての機能が止まっても、気が済むまで時の流れを気にせず悲しんで、何度も何度も自問自答すれば良い。その過程を肯定してくれる話。人に話し説明し楽になり再起するなど、簡単にできなくて当然。
それでも、いつかやっと少しずつ心の中での消化が始まった時、少しずつ感情を外に出す行為ができるようになり、ふたたび、人間は会話を求め、会話を通して救われていくことができる。そして、周りの人に大いに支えられ、大いに共感し支えていくこともできる。人の気持ちを理解し、あえて放っておく優しさも、寄り添う優しさも、人は選ぶことができる。
人間って素晴らしい。
描き出している感情はリアルだが、話の展開はなんだか現実離れした突飛な発想の世界観。でも、キャスティングされているケイトウィンスレットに抱いている私のイメージはぴったり。
悪い映画とは思はないが私には辛い映画
愛娘の死から立ち直れず殻に籠ってしまった主人公を経営から外そうとする仲間たち、悲しみの重みは違っても背負っているものは皆辛そうだ。ファーストマンのアームストロング船長も愛娘の死を背負った悲劇の冒険者だった。立ち直るきっかけは人それぞれだろうし、一生泣いて暮らす親もいるだろう。4つ上の姉がいたが事故で死んだ、両親は死のうと思ったそうだ、母は「親孝行なんて考えなくていい、子供は3歳までで一生分の親孝行をしてくれた」と私によく言っていた。
人生を愛・時間・死に象徴し哲学的に時に戯曲のように擬人化して語るが終始主人公の辛さが通奏低音のように尾を引くからまるで疑似体験させられているようで辛くなる、正直、映画でまで味わいたくないテーマである。冷静に観ることができる人はある意味不幸とは距離がおける所にいるのだろう。ウィル・スミスというといつも笑顔でジョークを言っているようなイメージがあったが真逆の暗さは頭が混乱する、ヘレン・ミレンさんは例によってなんでもこなす名優、下手をすればコントになりそうなプロットをうまく騙してくれているから貴重な存在だ。悪い映画とは思はないが私には辛い映画なので星は暗い。原題の”Collateral Beauty”は字幕では「幸せのおまけ」と訳していたが難解だ、しかし邦題の陳腐さは何なのだろう、あの名作をパクリたかったのだろうか、こういう下品な配給会社のやり口は毎度のことながら辟易だ。
久しぶりにみた文学的映画
物語としては、とある核家族の一人娘が6歳でなくなり
深淵のような深い悲しみに直面した父親が、愛と時間と死をなぞっていく話。
娘が残してくれた幸せのオマケによって。
おそらくストーリーだけを追うだけでは、この作品の真髄は分からないだろうなあ..
◯時間の象徴の台詞
「時間なんて、人間が勝手に決めた概念さ」
たった6年しか生きられなかった娘の命を
短いだなんて決めつけては不可ないよね。
彼女の100%生きた人生を、概念的なものから短いと言っては不可ない。
家族だからわかるであろう、娘の命の重さと、その尊さを。
◯愛の象徴の台詞
「私はいるわ。その痛みの中にも」
悲しみに包まれていると、迷子になってしまうのが人間。
孤独になり、寂しくなり、全てを無くしたように感じる。
ただ、愛という前提があるから、悲しみを感じられることに気がついてほしいんだよね。
これはかなり、文学的な哲学。
◯死の象徴の台詞
「いざとなれば、私が愛の役もやるわ」
この台詞を聞いた時に、ハッとして閲覧者がいたらぜひ友達になりたい。
これが一番効いてる台詞だと思う。
死が訪れることで、愛の所在を知る。
どれだけ愛おしい存在だったか。
どれだけ大切な存在であったか。
ぜひ文学的な目線で見てほしい。
クライマックスの涙は、死の中の愛に気がついてしまったからなんだろうなあ。
なんとも好きなのは、後半のシーン。
ハワードが、時間 死 に対して怒号し、去るシーンがある。
次に愛に対しては、すがるように怒り、愛の方から離れてしまうシーンがあるんですが、これがいい。
人間は、時間や死に対しては、自ら立ち去ってしまうのに
愛の場合は、あちらから去って行ってしまうという切なさが本当に印象深い。
あのシーンは、映像化した価値がありますな。だいすき。
お涙頂戴で終わらない
一人の男性を救う(陥れる)はずが、一人一人が救われていく。予告からは予想していなかった展開から、さらにファンタジーへ。
邦題はもうちょっと、なんとかならなかったこなぁ。
いい映画です。
タイトルは、名画があるだけに
よろしくない。中身もキャプラほど心を揺さぶらない。コラテラル ビューティのままか、オリジナルの訳にしておいて欲しかった。
最もダメなのは、人生を見失ってうつ状態の主人公が、会社存続のための最終のサインをする時になって、3人の悩みを全て知っていて最善の決断をする場面。あそこだけ主人公が冴え渡っていて全く共感できない。この手の映画は、観客が主人公を自分に置き換えて、どう解決していって安らぎを得るのか、体験するようにカタルシスを得るものでは? 少なくとも自分は、ストーリー概要を読んで、そういうつもりになっていた。ストーリーとして3人の友人の方が助けられるというどんでん返しを見せたかったのか、死にそうな主人公が突如、スーパーマネジメントを発揮してはついていけない。でもって、"子供を亡くした親の会"の他人のような女性が、これまた、実は元妻でしたってどんでん返しを見せられては…。
ヘレン・ミレンに免じて "コラテラル スター" を1つ付与してあげます。
愛、時間、死
大好きなウィルスミス出演ということで鑑賞。
名言が多い!
人生=人との繋がり=愛、時間、死
娘を亡くしたことで人との繋がりを絶ったハワードにもう一度、人生をやり直させるお話。
途中まで友人3人が何をしたかったのかわからなかった。立ち直させるどころがCEO解任に追い込んでいたとは(笑)
何はともあれ最後は元妻のチカラ。
少しファンタジックなところはあったけど映画ならではの演出!
最後の病院での老婆は死の役した人??
そこらへんがよくわからなくてモヤモヤ。
我が子を持ったことのない私にはハワード達の苦しみはピンとこない。いや、悲しいのは理解できるけど真の意味で感情移入はできない。
でもこの映画に出てくる人たちは、病気であったり子供ができなかったり、離婚してたり。人生に翻弄される人たちばかりだ。良い勉強になるし、歳を重ねて経験を積むほど内容が突き刺さるのではないかと感じた。
どんなに悲しく辛い出来ごとにも、必ず幸せのおまけ(collateral beauty)はあるの!
【素晴らしきかな、人生:おすすめポイント】
1.『幸せのおまけ(collateral beauty)』とは?!!!
2.「愛」・「時間」・「死」の手紙と、その役者たち!!
3.ハワード役ウィル・スミス(東地宏樹)とマデリン役ナオミ・ハリス(浅野まゆみ)の会話!
4.挿入歌のワンパブリックの『レッツハートトゥナイト(愛が苦痛と言うのなら、今夜も苦しもう)』!
【素晴らしきかな、人生:名言名セリフ】
1.ブリジッ役ヘレン・ミレン(一柳みる)の名セリフ
→「どんなに悲しく辛い出来ごとにも、必ず幸せのおまけ(collateral beauty)はあるの。だから、あなたはそれを見逃さないで。」
2.マデリン役ナオミ・ハリス(浅野まゆみ)の名言名セリフ
→「娘を喪った辛さは一生涯拭うことは出来ない。けれど、ある時、突然涙が溢れてとめられなくなった。それは、悲しみの涙ではなくて、自分か色々なものに繋がっていることに気付いたから。 感謝の涙だったと思うの。あなたにもそんな経験がきっと来るはず。このことを忘れないで。」
→「あなたの人生はこんなにも愛に満ちている。」
3.ハワード役ウィル・スミス(東地宏樹)の名言名セリフ
→「サイモンの病気のことは知っていた。僕がいる間は君の家族を守ると約束する。」
→「クレア、会社の為に自分を犠牲にして、会社のみんなを家族だと思って尽くしてきてくれてありがとう。」
→「ホイット、僕の親友。娘に嫌われても父親としてやるべきことをやれ、明日があるかなんてわからない。」
最高のグリーフ!
意気揚々とプレゼンししていた主人公が、廃人のように。こどもの死って残酷な現実。
いつもそばで見守っていた友人が、俳優に依頼したことがきっかけで、時間・愛・死をテーマに、主人公とのやりとりが始まる。
それは、主人公にこどもの死を受容させることではなく、再び前向きに人生を送ってほしいという願いからの挑戦 挑発 笑
冒頭のドミノシーンはやる気をなくして仕事をサボるためのおもちゃなのかと思っていたら、こどもと一緒に遊んだ楽しい記憶をたどっていたんだなと納得。
切なくてあたたかい映画。
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