「閑かな狂気」トマホーク ガンマンvs食人族 shantiさんの映画レビュー(感想・評価)
閑かな狂気
音声のほとんどが自然音、生活音に限られていることもあって全体的にはとても閑かなトーンで話は進んで行くが、殺戮シーンはかなりエグい。この監督はサディストに違いない。しかし、作る側のスタッフは監督はもちろんのこと、相当楽しんで作り上げた作品だと思う。特殊造形、特殊メイクが全くもって素晴らしい。ガンマンと食人族とは往年のイタリア大衆娯楽映画へのオマージュもふんだんに盛り込み、タランティーノへの愛も保安官補佐の無駄話に溢れていた。2015年の映画だが、完全に見逃していた。今回、レイトショー公開をしてくれた池袋の新文芸座には心から感謝の辞を述べたい。こういう映画を現代に撮ってしまうS・クレイグ・ザラーの作品は今後も要チェックである。妙なテンポと妙なストーリーと妙なキャラクター設定と幾つもの「珍妙さ」がこの映画を作り上げ、妙な新しさを感じることが出来た。この作品に鳴り止まない拍手を贈ろう。
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