裏切りの街のレビュー・感想・評価
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リアルだから刺さるんだろう
2016年初公開作品
初鑑賞
監督と脚本は『ボーイズ・オン・ザ・ラン』『愛の渦』『何者』『娼年』『そして僕は途方に暮れる』の三浦大輔
出会い系で知り合った東中野の菅原裕一と吉祥寺の橋本智子は荻窪で出会った
お茶したりなんとなくブラブラと歩いたがSEXすることはなくその日は日中で別れた
一週間後2人は再会
智子は人妻だと打ち明け裕一は彼女ができましたいることを打ち明けた
2人はそれぞれのパートナーに嘘をつきよるを過ごしたが肉体関係はなかった
3度目のデートで2人はラブホに行った
その後度々会い肉体を重ね智子は妊娠してしまう
なんやかんやで2人の関係は互いのパートナーにバレてしまう
元がdテレビのせいか画質が良い
映画を観てる気がしない
DVD鑑賞だしね
裕一と智子のぎこちない会話は全くもってつまらない
裕一と恋人鈴木里美の会話もつまらない
橋本夫婦の会話もつまらない
だからと言って三浦大介の脚本が悪いわけではない
実際こんなもんだろうしリアルを追求した結果ともいえる
それでも映像作品としてなんとか「もたせている」
三浦大輔の世界だ
リアルだからこそ刺さるんだろう
結局じつはお互いのパートナーも浮気してましたという展開も含めて
逆ギレする智子に「ごめんなさい」と泣き出す夫浩二が面白かった
さすが平田満
独特の味わい
脱ぎっぷりがやたら良い寺島しのぶ
既婚者で息子がいれば控えるものだが彼女の場合そんなことはない
脱げないなら役者なんか辞めちまえという「なせ」な思想の持ち主で活動家にとっては都合が悪い女だ
もちろん僕からすれば全然嫌いじゃない
今の時代の流れなら逆に左翼っぽくてカッコいい
うっすらだが尊敬すらしてるかもしれない
ヤフコメおじさんのような正義感はないので登場人物に怒りを感じることは全くなかった
それゆえに典型的なヤフコメ民にはお勧めできるような作品ではない
自分にも自分なりの良心があると思うがネット民と共感できることは滅多になく自分はサイコパスなんだろう
エンドロールのあと続きあり
2年後
就職した菅原さん
出産し子供連れの橋本さん
再会しすぐに別れる2人
エンドロールの前のラストは「ん?」だけど少し長めのおまけによる本当のラストはしっかりとしたラスト
嫌いじゃない
星3.5だったがエンドロールのあとが良かったのでプラス0.5
配役
フリーターだがバイトには行かず恋人の鈴木里美のヒモ状態の菅原裕一に池松壮亮
専業主婦の橋本智子に寺島しのぶ
裕一と同棲している鈴木里美に中村映里子
裕一の友人の今井伸二に落合モトキ
浩二の部下の田村修に駒木根隆介
実家で母の世話している智子の妹の根本裕子に佐藤仁美
智子の夫の橋本浩二に平田満
自分のこと棚にあげて、私のこと責めないで下さいよ
映画「裏切りの街」(三浦大輔監督)から。
特に不満がある訳ではないけれど、なんとなく裏切ってしまう、
ネットの出会い系で知り合った主人公たち。
とくに寺島しのぶさん演じる40代の専業主婦の一言、
「ダンナがどうこうじゃなくて・・ただなんとなく・・」が、
妙にリアル感があって、怒っていいのか、笑っていいのか。(汗)
夫・彼女を裏切って申し訳ない、という罪悪感があるにもかかわらず、
「行きませんか? ラブホテル」「私、全然大丈夫です」の会話を耳にし、
なんだよ、この2人、バチがあたるぞ、と思っていたら、
案の定、ラストで、お互いが、夫・彼女に裏切られていた。
「裏切ったつもりが、実は裏切られていた」
タイトルが「裏切りの街」だから、これは特別なことではなく、
どこでも、そして誰でも有り得る場面設定なんですよ、と、
監督に伝えられたような気がする。
このカラクリがわかってから、もう一度観直すと、
実は、裏切っていた、もう2人の発言や行動の方が面白い。
特に、奥さんの行動を責めたつもりが、逆に開き直られて、
「自分のこと棚にあげて、私のこと責めないで下さいよ」
と言われた、夫役の平田満さんの動揺ぶりは、可笑しかった。
まさか脇役の心の動揺まで、演技指導していないよねぇ、三浦監督。
タイトル通り
皆んな相手を裏切っている。
池松君はフリーターでバイトすらサボってばかりで同棲中の彼女の殆どヒモ状態。
出会い系で知り合う人なんかこういう人ばっかりなんじゃないだろうか?
お金が無くても相手がすごく年上なら出してくれるし
ね。。。
クズのカリスマだわ‼︎
寺島しのぶの旦那役は平田満で、表面上には良い人で妻を気遣う優しさもある。
でも実は旦那も浮気している。
しかも浮気がバレないように壮大なアリバイ作りもしている。
妻への気遣いは浮気の後ろめたさから?
衝撃的なのがあの歳で寺島が妊娠してしまう事。。。
しかもどうやら旦那の子供じゃなさそう‼︎
相手が若いとやっぱり子供が出来る可能性が高くなるのね。。。
だらしのないダメ人間・・・
だらしのないダメ人間、ばっかりで驚いた。
そうくるとは思わなかった。
フリーターさえまともにできないクズのヒモ男と、不自由のない退屈な生活になにか閉塞感を感じている生気のない主婦。
この二人の出会いから結末まで、大方の想像はつく。
池松のだらしなさに嫉妬(この感情なんだよなあ)し、寺島のけだるさに苛立ったまま進行していく。
ただ、みんなダメ人間だったとは。「裏切りの街」とは裏切り者ばかりが住んでいる街だった。もしかしたら、裏切りの連鎖はどんどん広がっているんじゃないかとさえ思えてきた。
他の連中のクズっぷりのおかげで、池松と寺島が純粋にさえ見えてしまった。
ベビーカーの赤ん坊の父親は、結局、池松なのだろう。平田満は知ってて産ませて、後ろめたさを覚える寺島の足に堅牢な鎖を繋ぎとめたわけだ。その魂胆の底意の恐ろしさったらないな。平田は、初めにヨレヨレのオッサンで登場しておいて、最後のほうには颯爽と愛人の元へと去る色男になっていた。役者ってすごい。
それに、終始笑顔だった部下の駒木根が、一番最後に見せた冷徹な表情の意味たるや、想像するだけで寒気がする。
赤ん坊を映さないのは上手い。写さないからこそ、その結果(=赤ん坊)が「非日常感」の象徴のように思えた。
よかった
夫婦とカップルがお互い浮気しているのだが、どちらも同じ重さで描かれているように感じた。世の中には重さのない夫婦や重いカップルもあるかもしれない。しかしもしそうなら、その違いを明確にすべきであり、それが特にないので大差ないものとして描いているようだ。
非がある方が負い目のある相手に向かって「何か言いたいことあるよね?」と詰める場面が2回あり、そんなことは言った事もなく言われたこともないので、世間ではそういったやりとりが普通なのかと思った。非があるなら謝るのが筋で、相手に負荷をかけるような言い方なのかと違和感があった。素直に謝れない心の揺らぎを表現しているのかもしれないかが、立場をわきまえてほしいと思う。自分がそんなこと言われたら「はあ?」と非難がましい声をあげてしまうだろう。
登場人物がみんな頭がいいのか誰も理不尽なことを言わずお互いに遠慮しあっていて、対応が丁寧だ。よそよそしさはあるが、礼節を大切にしている関係でうらやましい。レベルの高い人間性を感じた。
子供のいない夫婦や、同棲カップルが主な登場人物で、子供をいいものとして描いておらず、若々しかった。オレはおじさんなので性や恋愛は刺激にはなるけど、それでは持たない。
最後、主人公が子供が乗るベビーカーに近づく場面がある。顔を見て抱き上げてほしかった。そうすれば彼はもっと救われるはずであった。
監督の色
三浦大介監督を今回2回目の生見物。飄々として中々喰えない感じの人だ。監督と言うより劇団主宰者、演出家、そっちのほうが世間では有名なんだろうか。もう随分と芝居を観ることから遠ざかっているので疎いのだが。。。
上映後のトークショーで、大根仁監督との対談では、正直余り興味深いことは聴けなかった。もう随分一緒に仕事してきている2人なのだから、もう少し裏の話や、お互いの作品の指摘を聴きたかったのだが、なんだか馴合いトークに、無駄な時間だけが過ぎて・・・
そんな監督の今作は、元々dTVというdocomoがやってるスマホを媒体とした放送局のドラマコンテンツを映画用に再構築したものらしい。だから何となく話の世界観が狭いというか、奥行きがあまり感じられないと受け止めたのか。舞台が総武線東中野から東荻窪程の間の話だから、その辺りもdTVの縛りなのか、それとも劇団員が棲んでる率が高いからか、馴染みはなくはない。
ストーリー的には、出会い系サイトで出会った男女の2ヶ月位の悲喜交々、互いの家族や関係者も巻き込んでの愛憎劇というカテゴリなのだが、今の時代を反映して、修羅場にはならない。しかし、その辺りが三浦監督の得意というか、この人ならではの視点なのだが、台詞の裏の隠れた気持ちや機微を観客に想像させる演出が散りばめられている。前回の『愛の渦』でもそうだったが、現在の男女のドライさと、しかしそれでは割り切れない奥底の叫びみたいなものを上手く表現させているのは、流石演劇畑の真骨頂なのだろうと思う。前半の冗長がちょっと辛かったが、その分のフリの回収が面白く、しかし適度の裏切りもあって、これも又『裏切り』というテーマの一つなのかなと邪推したりする。
行われている行為はなかなかハードな出来事(妊娠等)なのだが、主人公の男と女の自覚の無さや覚悟の欠如がまた現代社会を投影しているようで、胸が痛いのも事実。正直この作品はまんま『自分自身』に突きつけられている気がして、かなり観るのが恥ずかしくて辛い。そう、『恥』という感情を露呈していく作品は、この監督の十八番なのだろう。
寺島しのぶの脱ぎッぷりは相変わらずの称賛だが、今までにあまり観ないタイプの役をこなしたことへの驚きは大いに感じられる。
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