残されし大地

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残されし大地

解説

2016年3月にベルギーで起きたブリュッセル連続テロ事件で亡くなった映画音響技師ジル・ローランが、原発事故後の福島に生きる人びとをテーマに製作したドキュメンタリー。福島県第一原発から約12キロ離れた福島県双葉郡富岡町。11年3月11日の福島原子力発電所の事故のあと、町に残された動物を保護し育てるため、富岡町に残ることを決めた松村直登さんは、父とふたりで避難指示解除準備区域の自宅にとどまっている。半谷信一さんは、背後で除染作業が行われる中、穏やかに農作業をする。また、お彼岸の墓参りで仮設住宅から南相馬市の居住制限区域(当時)に一時帰宅した佐藤夫妻は、来年こそ故郷への帰還を先祖に誓うが、その手には放射能計測器があった。故郷に残る者、故郷に戻る者、戻らない者、淡々と進む日常生活の中でそれぞれが語る自然体な言葉から見える、故郷を失った人たちの今とこれからが描かれる。映画は、監督のローランがテロ事件で他界した後、プロデューサーや同僚たちの手によって完成。日本でも「京都国際映画祭2016」で上映され、17年に劇場公開される。

2016年製作/76分/ベルギー
原題または英題:La terre abandonne
配給:太秦
劇場公開日:2017年3月11日

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(C)CVB / WIP /TAKE FIVE - 2016 - Tous droits reserves

映画レビュー

4.0静かに迫る人の生き様

2017年4月22日
スマートフォンから投稿

知的

初監督作品にして遺作となったジル・ローランさんの作品は、第一原発近くの福島を舞台にしたドキュメンタリー。

帰還困難区域に指定されたその地にたった一人で残り、置き去りにされたペットや家畜の世話を始め、今も続けている松村さん。

パンフレットにもありましたが、このような事態が起こらなければ表面化しなかったであろう松村さんの個性が力強く、でも静かに映画を引っ張ります。

サウンド・エンジニアでもあったローランさんの作品らしい、あらゆるシーンでとにかく音が印象的で、

シャッターの揺れる音、風の音、風に乗る音の割れた放送の声、口笛の響き。

それぞれの場面で普段は色んな音が混在していて、その強弱をつける事でハイライトされるものがあるとか、初めて意識しました。

そしてパンフレットも、まるで雑誌のようにとにかく読み応えあるので、オススメです。

DVDとかamazonビデオとかで、もっと広く見られたら良いのにな。

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Minako

4.5事実の迫力に圧倒される

2017年4月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

とり残されたペットの犬・猫のための避難区域に残って生活する人、避難解除後に戻る為に生活準備を始める人、戻れない理由を話す人・・・一人一人が現実と静かに闘っている。その重さに打ちのめされそう。
それらのことが、ナレーション無しで映画は進んで行く。ナレーション有りでは味わえない、迫力を感じる。一人一人の言葉の重さを、より際立たせている。
テレビのドキュメント番組でのナレーションが、感情誘導型でいかにつまらない(あるいは無駄な)ものかを痛感した。

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こばりん

4.5ナレーションが無く、始まると画面に見入ってしまいました。希望を感じ...

2017年4月7日
スマートフォンから投稿

ナレーションが無く、始まると画面に見入ってしまいました。希望を感じる作品です。

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Rajas

3.5ずっしりと心にくる作品

2017年3月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

静かに映される福島の現在の様子や、その地で生きる決断をした人々の思いが、心を動かされる作品でした。

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