「【”一番大切なのは、傍にいる人。”ドニー・イェンVSマイク・タイソン、正統なる詠春拳の座を掛けたドニー・イェンVSマックス・チャン戦及び妻ウィンシンを演じたリン・ホンの儚き美しさも印象的な作品。】」イップ・マン 継承 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”一番大切なのは、傍にいる人。”ドニー・イェンVSマイク・タイソン、正統なる詠春拳の座を掛けたドニー・イェンVSマックス・チャン戦及び妻ウィンシンを演じたリン・ホンの儚き美しさも印象的な作品。】
ー 第一作からイップ・マンの妻、ウィンシンを演じて来たリン・ホンさんは当時、トップ中国のトップモデルであったが、演技経験が無かったため、第一作、第二作では控えめな出演であった。だが、今作では彼女の儚い美しさに魅了されるのである。-
■1959年。香港は好景気に沸く一方で無法地帯になりつつあった。
詠春拳の達人、イップ・マンは裏社会を牛耳る不動産王から町を守るために立ち上がるが、それは自身の家族を危険にさらすことでもあった。
さらに詠春拳の正統をめぐる対立に巻き込まれていく。
◆感想
・ドニー・イェンVS地上げ屋のボスを演じるマイク・タイソンの戦いのシーン。柔よく剛を制す流れになっているが、大人の事情で引き分けである。
だが、イップ・マンが強力なパンチを持つマイク・タイソンに対し身を低くして下半身から上半身へと攻撃していく流れは見事である。
・正統なる詠春拳の座を掛けたドニー・イェンVSチョン・ティンチを演じるマックス・チャン戦のシーン。
大勢の観衆を集めたシーンでは、チョン・ティンチがイップ・マンを待つが、彼は癌に侵された余命僅かな妻とゆったりと踊っている。彼にとっては長年連れ添ったウィンシンの方が、正統なる詠春拳の座を掛けた戦いよりも大切な事が分かる切なくも美しいシーンである。
そして、妻が病で倒れた後、イップ・マンはチョン・ティンチと誰も居ない彼の道場で戦う。
流石、武術に秀でたマックス・チャンとの一騎打ちは、今作の大いなる見せ場である。棒術、剣術でも互角であり、双方素手での戦いになる流れの中で、ドニー・イェン、マックス・チャンとも物凄い速さで拳を繰り出す。
実に見応えがあるシーンである。劇中ではドニー・イェンが勝つが、チョン・ティンチが潔く負けを認める姿も良い。
<今作は、癌に侵されたイップ・マンの妻、ウィンシンを演じたリン・ホンの儚い美しさをベースに、正統的カンフー技シーンを堪能出来る作品である。>