劇場公開日 2017年6月10日

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「重く悲しく美しい」残像 SHさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0重く悲しく美しい

2017年6月24日
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鑑賞方法:映画館

知的

悲しい

現代アートと古典絵画、そこに現代音楽が交わって、見事な総合芸術が形成されているといった印象。
そしてその内容は近現代のポーランドを痛烈に告発したものであり、これぞワイダの真骨頂といったもの。
最後に最高の作品を残してくれたという感動も相俟って、エンドロールの色彩美には体中が震えた。
絶え間なく続く負の連鎖には、ワイダの強い意志を感じる。それが遺志となってしまったことは残念きわまりないけれど、ワイダが最後に作り上げた悲痛のショットをしっかりと心に焼きつけて、新たな社会と芸術をつくり上げていきたいものである。
心も体も脳みそ全て刺激された作品だった。

SH