「ゾンビ 乃里子」昼顔 マラマさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾンビ 乃里子
イヤー 本当に良かったです。
もう3回も観に行っちゃいました。
もしかしてあと2回は観に行くかも知れません。
この世界観、ツボにはまりまくりですw
紗和と北野先生。
フィクションなんだから最後は一緒にさせてよ! という意見をよく聞きますが・・・・
実は現実世界の方が不倫相手と一緒になることが多いのです。
有名な方でも沢山いるでしょう?
現実世界の方が、一度本気の不倫をしたら不倫相手と一緒になるようにできているのです。
だからこの映画。 ハッピーエンドにしてしまうと、物語としては愚鈍の極みと化してしまう。
現世では別れる事によって、ふたつの純粋な魂が昇華されるのです。
映画作品としても見事に昇華された。
北野先生は最後まで紗和に「好きだ」と言えなかった。
でも死を前にして最後の最後に口に出して言えたのですね。
本当にチャーミングの極み。
そして紗和と北野先生。
ミルキーウェイの下でちゃんと結婚式を挙げるのです。
この世界に絶望した紗和ちゃんに、北野先生の魂だとおもわれる蛍が 紗和ちゃんの左薬指にマリッジリングを光らせるのです。
北野先生が紗和に「生きろ!」と言っているのです。
最後に出て来るマリッジリングの色は紗和の薬指に光った蛍の光の色と同じ。
この雄渾な表現に打ちのめされない人間は、 人間としての心が欠落しているように思われてならない。
この場面の映画的表現は、西村監督!あんた凄いよ。
最近確変してると思ってたけれど、これ大フィーバーですぞ。
他にもクラクションだけで乃里子の凄まじい怒りを表現するなんて!
あのクラクション聞くだけで、心臓がドキドキ。 西村さんあんた天才や!
そして乃里子のスーパーウーマンぶり。
7階から飛び降りても、同乗者がグチャグチャになっちゃう車運転していても、 生き残ってしまうゾンビのような女。
コワすぎ。 北野先生もそんなバケモノと結婚してしまって気の毒。 紗和ちゃんに走るのはよーく分かります。
この物語の影の主人公はゾンビ乃里子ですね。