武曲 MUKOKUのレビュー・感想・評価
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剣豪
2023年5月1日
映画 #武曲 #MUKOKU (2017年)鑑賞
剣道に特別な才能を持ちながら、師である父との確執から自堕落な生活を送る男と、死に魅せられた無自覚な天才少年が出会い、剣を通じて2人の運命が激しく交錯していく
#綾野剛 と #村上虹郎
唯一無二の二人の俳優のぶつかり合いが凄かったです
役者さんのうまさが際立つ作品。
綾野剛と村上虹郎。二人の熱演だけではなく、
脇を固める小林薫、柄本明もさすがの演技でした。
話としては、まるで時代劇。
現代を舞台にしているものの、
今の空気を感じさせない作品でした。
武蔵と小次郎の対決、みたいな感じですねw
複雑な話ではなかったですが、ちょっと中だるみ。
W主演でその対決がキモなんでしょうが、
綾野剛と小林薫の親子だけを描いた方が、
良かったような気がしますね。その方が、感動したんじゃないかな。
閉じた物語 (原作も読んでみた)
主人公の二人は、社会から、世界から外れている。
「武曲」の主人公は、獣の父親から生まれ、剣道以外の何も身のうちに持たない獣として育ち育てられ、父と殺し合い、そして父を殺し損ねたアル中の社会不適合者である研吾(綾野剛)と、一度は死にかけ、その結果、死に魅了され、生きながら死の向こう側を幻視しつづける高校生・融(とおる)だ。
周りの人間はいる。女も。いるにはいるけれども、どうしようもなく孤立している。
そもそも「武曲」の二人は、ひとの形をしているけれども、ひとではない。けものである。それがひとの世にまぎれているのだ。孤独でないはずがない。
研吾は父親を殺し損ない、それによっておとなになり損ねている。成人するための通過儀礼のひとつとして、父殺しの疑似体験があることは知られているが、お互いの生死をかけて果し合いをし、父親を植物人間にしてしまった研吾には、父殺しのリトライ、完遂はなしえない。永遠に大人にはなれないのである。
そこに現れたのが、同じ獣の性をもつ融である。融は研吾と、そして彼の父親と同じ属性を持っている。つまり、剣道にのめり込んでいく。
研吾と融は、台風の夜、研吾は己の父親と同類の融を倒す(疑似的に殺す)ことによって父殺しを完遂し、融は研吾に殺されかけることによって、死への恐怖を獲得し、二人は大人の獣になる。死の擬似体験も、通過儀礼としてよく知られている。死に魅せられるだけで、具体的な恐怖を感じないのは、実は子供の特権だ。
お互いの生死をかけた切り合いの果てに、お互いの尾を食んで永遠に繋がるウロボロスのように、「武曲」の二人は円環を以て繋がるのである。
「武曲」の原作も読んだのだが、読んでみて驚いたのは、原作は「開いた物語」であり、融が主人公の典型的なビルドゥングスロマンであったことだ。
映画とは設定やエピソードの順番も違うし(融には洪水で死にかけたというトラウマはない)、何よりも映画は台風の夜の対決がクライマックスであるのに対し、原作ではその後の融の剣道一級審査での試合がクライマックスであることだ。その試合の中で、融は剣道を通じて「世界」と繋がる。
成長するということは、私は、世界と繋がることだと思っている。広く浅くでも、狭く深くでもいい。人間は、世界と繋がらなくては生きていけないのだ。
剣道に限らず、何かを極めようとすることは、ひどく内向きなものごとであっても、「世界」と繋がることである。針の一点を通して、宇宙を見ることができると言おうか。そういう、チャンネルが開いた瞬間のようなものが、原作の小説「武曲」のクライマックスでは描かれている。
ところが映画「武曲」は完全に閉じた物語として創られており、原作とは正反対なのである。
構成や作品としてのまとまり、全体的なバランス、綾野剛の演技力(酒乱の演技のリアリティがすごい。背中とか腹筋とかもストイックで美しい)、村上虹郎のみずみずしさ(私服も学生服もかわいい)、他のキャスティングの良さ(小林薫が父親役で、ラストにあの笑顔なんて完全に狙っているけどやられる)など、総合的に考えると、原作より映画のほうが作品としての完成度は高いが、そういう問題ではなく、完全に別の作品なのだろうなと思う。
熊切和嘉の監督作品は、他に「私の男」を見ている。こちらも見事なほど「閉じた物語」だった。
これが熊切監督の特性や嗜好なのかはわからないが、これから彼が人間と世界をどう表現していくかについては、注目していこうと思っている。
親子描写は良い。
・照明が美しい。
(海岸線沿いの車のライト、青と黄色の色付け、大雨の決闘、ラストの部屋)
・設定が嘘くさいと思うところがあった。
・剣道やる気ない人を操れるかよ
・なんか不自然。むりくり進めてる感じがする
・最後の立会い前は非常にかっこいい。
日本ならでは感。
・綾野剛が立ち直るプロセスがよくわからない。
・気持ちよくないところを押されるような映画だった
・普遍的な親子のテーマはよかったけど、ファンタジーと普遍性がぶつかり合ってよくわかんない味になってる。
・撮影も照明も美しいし、演技も難しいオーダーに応えてるのに、脚本が全然響かない。
・エンディングテーマがwake upっぽい
・綾野剛の筋肉きれい。
・父が憎いけど、自分にとって必要だという歯がゆさ。
・父親の不器用さ。それでも父なりに愛してたんだなということ
・母との不仲もあったけど、不器用なりに楽しんでもいた。その笑顔を振り返ってしょうがなさそうに笑う綾野剛が素敵だった。
・タイトルの字、素晴らしい。
・違う人生を生きてきて、たまたま巡り合ったふたりが立ち会って、それぞれが自立していく。
・柄本明はそのマッチング屋さん。
・前田敦子のパンツが観れます。
・ラストがセッション風味
長い、顔がうるさい
綾野剛の顔がうるさい。分かってる情報を顔で何度塗りもされて胃もたれがするようなルック。こんなシンプルな話を120分ってどうかしてるんじゃないかと思う。親を殺すまでに共依存的な子弟関係とか武道の狂気が悪いというわけでもないが、こうも自己憐憫的に描かれてしまうとなんでお前の話に付き合わなければいけないんだよという気持ちがしてくる。
熟達の域に達しつつある綾野剛と若手トップ男優の一人、村上虹郎の凄さを改めて認識した記憶に残る一作
綾野剛と村上虹郎の剣の共演を堪能。
極限まで体脂肪率を落とした綾野さんのこの映画にかける気概と村上虹郎の類稀なる圧倒的存在感に圧倒される。
この二人の裂帛の気合が炸裂する嵐の中の凄まじい決闘シーンは忘れ難い。
二人を支える小林薫さんを筆頭にした共演の方々の素晴らしさよ。魅了された二時間であった。
<2017年6月3日 劇場にて鑑賞>
綾野剛の熱演
綾野剛の筋肉すごかったね。わざとらしい見せ方だったけど。でも、熱演でした。頑張ってた。前田敦子の使い方は何だろう?人寄せパンダ?前田敦子っていつもあんな感じで、使われてるよね。本人納得してるのかな?大人の事情があるのかな?
柄本明が、以外に身体がしっかりしているなぁと発見した。なんか、一見、おじいちゃんみたいだから(^^)。
ストーリー的には、酷い親父だなぁっていうのが、一番の感想。息子にトラウマ背をわせて、あれもわざと、試練を与えているのだろうか。疑問だな。
熱量を感じた
綾野剛の熱量を感じる映画。
ただ、複数相手に暴れるシーンはいいのだが、いくつか対峙する場面ではその強さを感じられなかった。
また、剣道のセンスがある高校生の役に関して言えば、そもそも設定が漫画のようで違和感があるので、ドラマを成立させる為に無理やりにそのキャラクターを作り出したように感じてしまう。ファンタジー寄りの作品でないのでそういった都合良さが気になった。
真剣ではあるが…
運命か、宿命か。
剣道で対する二人の男。
時代劇とまでは言わないものの、明治か大正か古い時代設定かと思ったら、現代の鎌倉が舞台。
二人の剣道への向き合い方は全く異なる。
研吾。
剣道の天才児だったが、ある理由から今は剣を棄てた。
警備員のバイトで食い繋ぎ、酒に溺れる、自暴自棄・自堕落な日々。
融。
ラップ作りに夢中の高校生。
剣道部と揉めた時、秘められた剣の才能を、研吾の師に見出だされる。
そんな二人が出会い、やがて互いを意識し合うようになり…。
努力型の才か、天賦の才か。
それらは相対するが、何処か自分自身を見失い、模索し、苦悩・葛藤する姿は通ずる。
二人共それぞれ何かを抱えているが、特に研吾は深く、重い。
幼い頃から剣道の達人だった父に鍛えられた研吾。
が、この父がスパルタ…どころではない。
「剣を取れ」「死ぬ気でかかって来い!」…時には日本刀を向け、虐待レベル。
そんな父へ芽生えた感情は師への敬愛ではなく、恐怖と、憎悪。
ある時、事件が…。
父と剣を交えた時、父に重傷を負わせ、その父は今も昏睡状態。この時、本当に父を殺してやろうとさえ…。
剣を持った者の重責、畏怖的存在の父、犯したトラウマ事件…研吾が剣を捨てざるを得なかったのも無理はない。
そんな時出会った、融。
研吾は融と初めて交えた時、彼の剣に、父と同じものを見る。
研吾にとっては、向かい合わなければならない存在。
融にとってもまたそう。
そして、ある台風の夜、二人は相交える。文字通りの、真剣勝負。
己の全てを懸けて…。
綾野剛と村上虹郎、二人の熱演は圧巻。
特に、台風の夜の死闘は、壮絶。
鬼気迫るものを感じた。
話や設定自体はシンプル。現在の剣士と剣士の闘い。成長と再起。
重厚な物語、演出、キャストの熱演、語り継がれるような名シーン…。
…が、力作ではあるが、名作にはなり損ねた。
話や設定はシンプルな筈なのに、何故かあまりよく伝わって来ない。
ラストシーンこそは晴れ晴れとしてはいるものの、ほとんど全編重苦しい。
真剣ではある。真剣であるが故に、堅くなり過ぎてしまったようだ。
監督は熊切和嘉。
そういやこの監督の作品、少々苦手だった…。
精神と人生とは
人生もそうですが、声をついてつぶしてやるという戦い方にびっくりしました。剣道にはまって浄化すするという警察関係の方や一般の人の強い人になるにはというので人生とともにすごく深いもので子供にさせたいと思いました。演技が二人ともだけれど村上君がすごくてファンになりました。
緊張感がすごい二人の気迫がすごくて。柄本明も現実に強そうでよかった...
緊張感がすごい二人の気迫がすごくて。柄本明も現実に強そうでよかった。
村上虹郎さんの映画作品をはじめて観ました、あの花ドラマ版でしか観たことがなかった。バガボンドが実写化されることはないと思うが、綾野剛は小次郎でも武蔵でもやれる体躯をしていた。
剣道は綾野剛より村上虹郎の方がセンスある
邦画の音が小さいの、本当にどうにかして欲しい。
綾野剛の剣道は子供の頃から剣士の親に叩き込まれたキャリアを感じない。
小林薫と柄本明の剣は堂に入ってた。
ラストが普通過ぎるしエンディング曲も青春映画っぽくてイヤ。
2人で撮ったのかと思うほど虹郎と綾野剛のパートで画が違う。
綾野剛が最初に道場に乗り込んで来た時の立ち回りは物凄かったので、その後も期待したが台風の決戦は変な色ついた照明とかBGM入れたりガッカリ。
アル中はそんなに簡単に離脱出来ないと思う。
鎌倉が舞台。鎌倉学園中高協力。
綾野剛のムキムキの肉体はライザップ協賛みたい。
熊切監督っぽくない。何かバランス悪いというか、シーン、シーンではハッとする場面あるのに全体としてまとまってないというか。
武田双雲の題字はさすがに格好良かった。
五悪:在家の仏教信者が保つべき五戒を守らないことで,殺生,偸盗,邪淫,妄語,飲酒 (おんじゅ) の5種の悪行。
驚擢疑惑(きょうくぎわく)
相手と対峙したときにおこる心の動揺や心の動揺を抑えきれない状態をあらわした剣道用語。驚いたり、擢(恐)れたり、疑ったり、惑ったりする心の状態。四戒、四病ともいい、これをいかに制御するかが重要であるという教え。
少し強引か
小僧が剣道をするまでがスムーズすぎて違和感。あんなにすんなりと受け入れるだろうか。少し葛藤が足りないかな。剣道のことはよくわからないけど、平気に道場に素人を上げてあんな失礼なことしていいのか。小僧が入った後も他の部員は平気でいられるのか。それを黙認する先生もどうか。綾野剛の腐っていた頃と再生した後の体の仕上げ方はさすが。柄本明もやっぱり素晴らしい。雨の中対峙する見せ場のシーンは昭和の時代劇を思わせる演出で引き込まれた。それにしてもあっちゃん‥汚れ役多すぎませんか??
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