「新時代のホロコーストものだとは思うが」ブルーム・オブ・イエスタディ REXさんの映画レビュー(感想・評価)
新時代のホロコーストものだとは思うが
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ホロコーストについて、二人がもっと真剣に語り合うのかと思いきや、意外とそうでもない。
真面目で不器用で研究に偏執狂的なトトが、ヒステリックでおつむの弱いインターンのザジにひたすら振り回される。
自由に振る舞う開放感をザジに教えられ、妻の不逞を堂々と許している理由を明かして二人は結ばれるが、その展開にどうも無理を感じてしまう。
それまでトトはザジのセックス妄想に辟易していたし、はっきりいって奇行のほうが上回ってしまって、二人の男から求められるほどの魅力があるように思えない。
実はネオナチでしたというトトが贖罪を抱くほど、ザジが先祖の歴史を背負っていたとも思えないし、またザジがトトの子供をこっそり産んでいた動機も理解しがたい。
トトが好きだったのではなくて、自分が何か成し遂げた証として、ナチとユダヤ人の融和の存在としての子供が欲しかっただけではと疑ってしまう。
トトにもザジにもすっきりと感情移入できなかった。
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