「世界のどこにでもある根深い問題を正面から抉ってくれていました」サーミの血 ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
世界のどこにでもある根深い問題を正面から抉ってくれていました
スウェーデンのラップ民族差別を扱った作品。ラップランドと言えばサンタクロースの良いイメージしか無かったので、映画を鑑賞して、北欧の平和で知られたあの国にもあのような暗黒の歴史があったことを初めて知りました。差別されたまま生きることを受け入れず、スウェーデン人として生きることをを求めて故郷を出奔した主人公。自分の出自を否定し続けて生きざるを得なかった彼女の葛藤は壮絶なものであったと容易に想像できます。都会に出るためお金を盗んだり、ウソを騙って人の家や学校に転がり込んだりする主人公も敢えて見せることで、綺麗ごとでは無いこの問題の根深さを浮かび上がらせていたと感じました。都会の学校に入ってからの彼女の生き様も観てみたかったな。
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