劇場公開日 2017年1月7日

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「主人公はさておき、二大俳優の”一瞬の”共演に注目」ブラック・ファイル 野心の代償 ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0主人公はさておき、二大俳優の”一瞬の”共演に注目

2017年1月30日
PCから投稿

目を見張るほどの豪華俳優がタペストリーを織りなしていく面白さはある。冒頭、とある誘拐事件の勃発が描かれるも、そのプロローグを開けると全く別人物の目線による物語が展開していくのも意外性があった。それがきちんと機能しているかどうかはさておき、時間を少しずつズラしながらその裏側で何が起こっているのかを焦らすように明らかにしていく作話法は脚本としては魅力的だ。しかし各々のピースがきちんとハマるかと思いきや、少しずつ甘さが目立ち始め、おそらく裏側で主人公と同じくらいエピソードを抱えているはずのイ・ビョンホンのキャラも活かされない。ホプキンスはシェークスピアを意識するかのような演技が続き、パチーノはまるで歌舞伎の見得を張りっぱなしの状態が続くので、その二大山脈を切り崩すのに主人公がジョシュ・デュアメルだとあまりに荷が重すぎたか。いろんなところにツッコミを入れたくなる。これらの綻びも含めて、心に余裕を持って臨めば意外と楽しめはするのだが。

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牛津厚信