「ウザったいけど微笑ましい」マダム・メドラー おせっかいは幸せの始まり スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
ウザったいけど微笑ましい
予想した内容とはちょっと違いましたが(ローズ・バーンが主役だと勘違いしていたので)、これはこれで良かったです。
劇的な展開があるような映画ではなかったですが、ウザったく思えることがあっても何だかんだで分かり合えているのが親子なのかなと、程好く共感出来る部分もあったりして、まあちょっと痛々しい人達ではあったけど、でも見終わってほっこり幸せな気分にはさせられた映画でした、お母さんの娘愛がほぼストーカー状態なところはある種ホラー的でもありましたけどね(苦笑)
しかしウザったいぐらい愛されていると言うのもまた幸せなことじゃないですか、世の中親の愛情やお節介を受けたくても受けれない人がたくさんいる訳ですから、それに比べたらやりすぎなお節介でも、むしろ幸せなことだなと、微笑ましく思いながら見させてもらいました、勿論当事者からしたらやっぱりウザったくて嫌は嫌だと思いますが・・・。
まあでもこのお母さん、基本的に良い人、と言うか人想いで情に厚い人でしたよね。
娘に相手にされなくなってからの行動を見ても、とにかく愛に溢れた人で、何かこう健気で可愛らしかったですよ、勿論巨額の遺産?があったからあんな行動できたのは間違いない事実でしたけど、でもこの人はお金が無くてもまた違った形で愛に溢れた行動が出来た人なのではないかなと、そう素直に思わされたぐらい、何かと伝わってくるものはありましたね、他人にこれだけ愛情を注げるのだから、それは娘に対しては・・・。
でも娘も、嫌がりつつも何だかんだでその気持ちを利用しているところがちょっと面白かったです、これが息子だったら、また違った話になったのかな、女性同士ならではの話でしたね。
そんなお母さんを演じたスーザン・サランドンは、70を迎えても未だ若々しかったですね、ってまあ元々老け顔だったので、逆に今が若く見えるところも少なからずあるとは思いますが、でも肌が綺麗でチャーミングでした。
逆に娘役のローズ・バーンはナチュラルメイクで少々疲れた雰囲気を醸し出していたのは役作りだったのかな?これだとお母さんも心配になるかもなぁ・・・と思わせる雰囲気作りは何気に絶妙だったと思いました。
この2人に愛されたお父さんは、相当素敵な人だったんでしょうね、二人が抱えた喪失感、そして再生への物語は、劇的な演出はなかったものの、程好く心に来るところがありました。
お母さんの新しい恋の行方も、微笑ましい気分になると言うか、ちょっと応援したくなるような、いい感じの恋模様でしたね。
また相手役のJ・K・シモンズが渋くてカッコ良かったぁ(今までカッコ良いイメージはあまりなかったけど)、声が渋くてハーレーに乗る姿も最高にキマッてました、彼の家で生産されている卵もおいしそうだったなぁ、あのパンと卵、食べたい・・・絶対うまいよなぁ、あれは。
まあ全体的には、称賛するには何かもう一つ足りない気もした映画でしたけど、ホンワカ幸せな気分を味わえて、程々には良い映画でした。