劇場公開日 2018年2月3日

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「木に羊が実っていたら、それは植物か?動物か?」羊の木 にゃろめさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0木に羊が実っていたら、それは植物か?動物か?

2021年10月13日
PCから投稿

ポスターが悪い。
意味深なコピーに個性的な俳優陣。
ときたら、秀逸なミステリーと思っちゃう。
そう思って観ると評価が下がる。

「魚深はいい街ですよ。人もいいし、魚もうまいし。」
しかし、映像からそんな空気感は伝わらないし、分からない。
それこそが全編を通じての見どころ。

過去を隠したい(?)6人の元受刑者。
過去をえぐられたくないのは、受刑者だけですか?

地元に戻った理由を話さないアヤ。
視聴のPCを勝手に見る市役所の同僚。
急にエロに目覚め恋に落ちる父親。
息子を殺した犯人を追い続ける被害者の父。
そして、恋心を伝えられないままの主人公。

そういう人の深い部分(=のろろ神)は見てはいけませんよ。
この街が「いい街」であり続ける秘訣はソコですよ。
しかし、人は人。
見てはいけないはずの「のろろ様」が海から引き上げられると、
集まる野次馬、記念写真も平気で撮っちゃう。

外的要因(6人の移住者)が加わるだけで、
それまで守り続けた不干渉の秘訣は、もろくも崩れ落ちる。

そんなヒューマンドラマとして観ると、
この映画は秀逸。ミステリーではない。

羊の毛は材料として優秀。=殺さない。
羊の肉は食物として優秀。=殺す。
罪悪感なんて無くて大丈夫ですよ。
だって、羊は木から生えている植物ですから。

優香。
この映画で急にエロが開花したのではない。
デビュー当時からエロかった。

にゃろめ