「タタール旅行記」羊の木 erieeさんの映画レビュー(感想・評価)
タタール旅行記
原作未読。
富山の魚深市役所に勤める月末一。
国の極秘プロジェクトで過疎化が進む町に6人の訳あり移住者を迎え入れた。
6人の定住を担当する月末に難題が次々持ち上がる。
魚深市に伝わる「のろろ」かつては海から来た悪霊であったが人間が戦いに勝ってからは守神となり「のろろ祭り」が毎年行われていた。そして祭りの夜6人が集まり何かが動き出す。
床屋に勤める福元は刑務所で理容師免許を取得した。
前科を気にするあまりオドオドし過ぎる福元にオーナーは自分も前科持ちだと告白する。
ヤクザから足を洗いクリーニング店で働く大野。
風貌からして堅気でないのではと噂される大野を庇う店主。大野は自らの過去を話し去ろうとするが店主は自分が肌で感じた直感に従うと言い大野を受け入れた。
漁師をする杉山は平穏な日々に飽き飽きし、自分と同じ前科者を探し悪巧みをしていた。
宅配の仕事をする宮腰。
一見好青年を装うが不穏な空気を纏う。
月末達がバンド練習をしている所へ現れたかと思うと翌日にはギターを買い練習に参加。
そして月末が思いを寄せる文といつのまにか付き合っていた。
宮腰に嫉妬した月末は文に宮腰の前科を話した。
文自身頭では前科など関係無く好きだと思うのだが宮腰に触れられた瞬間、体が拒否し逃げ出した。
介護センターで働く理江子は月末の父親のお世話をするうちに恋愛感情を持つ。
色気たっぷりの若い女にノックアウト!前科なんて関係ない!
転倒し骨折した父を理江子が甲斐甲斐しく世話する。
のろろ祭りの新聞記事を見た男が宮腰を探しに訪れた。
杉山は宮腰が男を殺害するのを目撃し、宮腰を強請る。
しかし、宮腰は港で網を編んでいた男を巻き添えに杉山を轢き殺した。
宮腰の過去を文に話そうと待ち合わせしたがそこへ宮腰が現れ岬へ連れて行かれた。
のろろ伝説を再現しようとする宮腰。
岬から飛び込んだ2人のうち選ばれた1人が助かる伝説
。腕を捕まれ岬から落ちる2人を上から眺めるのろろの像。
宮腰が水面に現れたその時、のろろ像の頭が崖から落ち宮腰を直撃。
月末が水面に現れ助かる。
のろろ様が悪を倒してくれた。
清美は清掃センターで働き、海岸で羊が木になっている絵が描いてある缶の蓋を拾い部屋に飾る。
清美は魚、亀、小動物の死骸を庭に埋めいつか木になり戻ると思っていた。
魚深市に来た6人は結局4人となったが皆町の人々に受け入れられた。
タイトルの「羊の木」が意味する事はわからないままだが、知らなくて良いことは知る必要が無く、自分の肌で感じた事を信じる事が大事なんだと思う。
現代は、ネットで過去を調べる事など簡単だがそれが全て真実かどうかはわからない。
情報に振り回され大事な事を見失っていないかと問われているようだ。