劇場公開日 2017年3月4日

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「ほとんどの韓国俳優は映画ごと全く別人になる!」アシュラ shunsuke kawaiさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ほとんどの韓国俳優は映画ごと全く別人になる!

2021年7月13日
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鑑賞方法:VOD

俳優を観たいから映画を観ようと思わせられることは最近ほとんどないが韓国だけは違うようだ。

いやあ、『無垢なる証明』で本当に正義感溢れて、こんないい人が世の中にいるんだって涙させてくれた、チョン・ウソンが、こんなクズな悪徳刑事を演じてるなんてびっくり!チョん嘘ん。

同じ顔と背丈の人間なのに全く別人にしか見えない。

恐るべき韓国俳優の演技力!とにかく見比べてみればわかる。

あるいは、ファン・ジョンミンはどうだ?
この映画では、クズ・オブ・クズスとして腐敗都市の市長を演じているが、クズ演技の見本!本当に笑えて仕方ないほどに面白い。

かと思えば、『国際市場出会いましょう』の韓国製フォレスト・ガンプとして純粋で愚鈍な青年を演じて、本当にいい奴にしか見えないし、『工作 黒金星と呼ばれた男』では、北朝鮮の政治スパイを演じ苦境に立たされても、敵国の北朝鮮で親友をつくれるほどの正義感と人間味あふれる演技。全く別人。

検事役のクァク・ドウォンは『コクソン』で間抜けでマザコンな地方の警官を演じていてバカにしか見えないのに、この映画では、本当にエリート然とした太々しく偉そうなオーラを漂わせて威厳たっぷり。これまた別人だ。

顔がいいのでカッコいいお兄さんのイメージが張り付いてしまいそうなチュ・ジフンは『神と共に』シリーズで、イケメン優男として地獄で無実の人を弁護して救うヒーロー役で、やっぱりカッコいいお兄さんだったのが、この映画では、ただの馬鹿な若手警官を演じていて、悪にズブズブ染まっていく様は本当にアホでダサくて醜くて、これもなかなかの別人ぶり。ファン・ジョンミンとのもう一つの共演作『工作 黒金星と呼ばれた男』では、悪い悪い北朝鮮の高官を演じて、カッコいいお兄さんぶり、この映画のようなアホで間抜けな新人ぶりは微塵も感じさせない。この人も素晴らしい。

とにかく、韓国映画は、俳優が素晴らしい!!
俳優の別人ぶりを映画で観ることは、その映画を観たいと思わせるもっとも大きな要素の一つであり、そのことを何度も確認させてくれるからすごい。

『サハラに舞う羽根』の若く闊達とした士官と『ダークナイト』の狂って絶叫するジョーカーのヒース・レジャーの別人ぶりや、『フィラデルフィア』の正義感あふれる本当にいい人の弁護士と『トレーニング・デイ』のとんでもなく陰湿で観ていて腹が立つ悪徳警官のデンゼル・ワシントンの別人ぶりも素晴らしいが、韓国映画はびっくりするぐらい別人ぶりを演じる俳優が多くて本当に面白い。

あと、韓国ドラマの『梨泰院クラス』で巨大居酒屋チェーンの権力欲の塊のクソ社長ぶりを見事に演じたユ・ジェミョンが、『ヴィンチェンツォ』という、ドラマ自体は観てないのだが、そのいい人弁護士の演技で圧倒的な別人さ加減が一目でわかる映像が出回り、韓国俳優陣の恐るべき演技力の高さを証明する映像は非常にわかりやすいので参考としてオススメ。

屠殺100%