劇場公開日 2017年3月4日

  • 予告編を見る

「ファン・ジョンミン節、炸裂。」アシュラ DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ファン・ジョンミン節、炸裂。

2020年6月2日
iPhoneアプリから投稿

・韓国を舞台にマカロニウエスタン的な、大惨殺バイオレンス劇がやりたかったのかな
・主人公がくそド天然野郎なんだけど、自分はできる奴だと勘違いしてて、すべてがから回る感じがナイス
・イライラを溜めて溜めて溜めてでっかい一発の花火を打ち上げるんじゃなく、ちょびちょびと破裂させていく感じ

・市長めっちゃ悪い奴みたいに描かれてるけど、冷静に考えたら、市長がいちばん理想の生き方じゃないか?
・市長の周りは、それぞれに何か恐れているものを抱えている
(認められたい、妻を傷つけたくない、刑務所入りたくない、死にたくない等々)
・しかし市長にはそれがない。だから常に上のポジションに立ってしまう
・恐れるものがないから、周りにとってはそれが脅威である。常に弱みを握られる。
・自分を徹底的に大事にして、自分は大丈夫だという根拠のない自信があって、恐れるものがない、予測できないこと起きても即解決
・その市長の生き方は、やっていることの善悪を別にしたら、一番健康的な生き方といえるのではないか
・芯の通った生き方

・美女と野獣のガストンみたいなキャラクターはひたすらウザさがすごいのだが、市長には不思議とそれがない
・異様だけど人として芯が通っていて迷いや恐れがないから
・ダークナイトのジョーカーにも通ずる魅力かも

・善の顔をした悪でもあるし、悪の顔をした善でもある市長の中性感
・そういう善悪入り混じった役をやったファンジョンミンの力はすごい
・ナ・ホンジン監督の「コクソン」の祈祷師の役柄ともリンクしているし、今作のキャスティングにも影響したのでは
・検事役の人もファン・ジョンミン同様、「コクソン」の主要キャラだけど、別監督の作品で、絡みまくってるのもおもしろい

・誰か人のため「だけ」を思って何かをやるというのは、胡散臭いことなのではないか。
(自分に恩を着せるために仕向けている場合もあるから)
・だからいっそ徹底的に自分を喜ばせるためになにかをするというほうが潔い生き方なのかもと思いました

DEPO LABO