こころに剣士をのレビュー・感想・評価
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剣士、といっても暴力としての剣は振るわない。
厳しい状況に立ち向かっていく矜持や、精神的な強さの象徴としての剣というふうに捉えた。
子供達も、そして自分も変わっていくのは、ある種定番的なストーリーではあるが、いくらでもあざとく劇的にできそうなのを、上手く抑制されていて、厳しい冬の寒さを和らげる、暖かいお話だった。
二本立て二本目。実話ベースで重みあり。エストニア🇪🇪の微妙な立ち位...
二本立て二本目。実話ベースで重みあり。エストニア🇪🇪の微妙な立ち位置、初めて知りました。
親子のような師弟愛、スポ根要素もあり、そして無垢なラブシーン。素敵な作品でした。
エンディングテロップ「いまもまだ…」晴れ晴れとした気持ちにさせてくれました。
今日の二本は同監督作品なんですね。クラウス・ハロ。この監督、只者ではありません。今後、要注目です。
剣を持つ理由
元ドイツ軍人が田舎でフェンシングを教える話
美しいピアノの曲と主人公の影のある表情がたまらない作品でした。
最初のシーンを初め、主人公の後ろ姿を映す画が多いのだが、この演出がとてもいい。
どんな表情をしているのか想像に任せているし、背中を通して見える風景は観客と主人公を同化させ、物語に引きずり込まれる。
主人公は逃亡中のため、極力目立たぬように努めているので、感情を面に出さないし、髭で表情が分かりにくい。これから一生ひっそりと暮らさねばならない哀愁ただよう表情が素晴らしかった。
対照的にヒロインは美人で表情豊、教え子達は元気でかわいい、交流により暗かった主人公が徐々に明るくなりはじめる展開は誰が心温まるだろう。
共産主義の怖さ、輪を乱す者の排除は冷たく恐ろしいものだと言う事実も描かれているし、それでも決意して大会に出る主人公の勇気は計り知れない。
教え子の信頼を裏切りたくない、練習の成果を発揮してもらいたい。
子供嫌いの主人公の心境の変化と、剣士として教育者としての魂が彼の背中を押す。
映画評論家の町山智浩さんが言っていたが「でも、やるんだよ」の精神に人は感動する。
まさにこの映画はそれだった。
大会には出してあげたい、だが秘密警察に捕まるかも知れない。必ず行く必要がある訳でもない。でも、やるんだ、子供たちのため、自分の心のために。
スポ魂映画の熱い展開は少な目だが、静かに練習する冷たいスポ魂映画だったように思る。ただ表面には見えずとも内側には熱い魂のやどった映画だった。
劇中セリフより
「戦うために来たんだろ」
無理だと諦めて帰ってしまうのは勿体ない、機会があるなら挑め
踏み出せない時、背中を押してくれる人が傍にいるのは何と心強い事か。一人で戦っている訳ではない、誰かに頼ることも大事だと思った。
静かな北の国で
フェンシングの事は何も知らないのですが、ヨーロッパでは昔から人気のあるスポーツなのかなと思いました。女の子も男子と闘うのですね。かっこいいな…
子どもたち、俳優さんたちの演技がとても自然で良かったです。
北の国の空や雪、霧、雨、など自然の風景も素晴らしかった。
戦争の傷、密告や弾圧のある暗い時代だけれど、人はささやかな希望を持って生きていたことがわかります。
いい映画だ
最近、よく映画館に行くようになったので、日記としてレビューなるものを書いてみようと思い、映画.com での初めてのレビューです。
冷たさと静けさの中だけに心の暖かさが際立つ。
父が連れて行かれた子供たちと逃げ続ける男の出会い、子供たちとの連帯、試合を経験させてやりたいという気持ちが、収容所に入れられる恐怖心を上回る。その流れがスムーズに受け入れられるのも、冷たさ・静けさの中だからこそと思う。
スターリン時代のソビエト、怖かったんだなあ〜。
なのにこの映画が恐怖感の映画でないのは、子供たちの演技のおかげ。大げさな喜びがない、極めて抑えた演技だからこそ溢れ出す情愛、喜び。
いやあ、いい映画だ!!
騎手の心
フェンシング好きにはたまらない。
歴史背景に詳しくないので、多分そうなんだろうな。と想像しながら見ている部分はありました。
試合シーンから涙が止まらなくなってしまいました。
最後のシーンでホットしました。
純粋な子供の気持ちには勝てないよねー。
実話ベースでした。
どこの国にも戦争によって人生を変えられちゃう理不尽な状況がいくらでも発生しているんだな、と改めて痛感。
秘密警察に追われながら、身を隠して田舎の先生になりながら子供たちの熱い思いに逆らえず命の危険にさらされながらも彼らの夢と希望に応える姿に感動。フェンシングの思いもよらない緊迫感ただよう試合シーンもナイス。
じっくり引き込まれる作品でした。
静かだが、心にしみる
訳ありの新任教師 実は、脱走兵なんやね。元フェンシングの選手 子供達にフェンシングを教える事になって。彼は、子供が苦手。子供は、大人の本心を見ることができるから。フィンランドの映画 フェンシングの試合でスターリンググランドへ行く事になり彼は動揺します。チクリの校長も嫌らしい公務員がよく出ていた。女性教師の素朴な美しさ、子供達の美しい瞳を見ていると真実に眼を背けてはいけないね。いい作品でした。
試写会に行って来ました。1950年代のエストニアであった実話を元に...
試写会に行って来ました。1950年代のエストニアであった実話を元にした映画。静かで空虚のようだった前半から、その静かさはやがて熱を帯び、心動かされるものになっていきました。懸命に生きて、信念を持っていく事の難しさと美しさが丹念に描かれていたと思います。
時代背景や街、学校の思想の空虚さが子供たちから色んなものを奪っていたそんな光景が主人公と子供たちの熱で少しずつ変わっていく。
全てがハッピーエンドではなかったが、だからこそ彼等の心の中の葛藤や情熱が静かにでも確かに灯っている。
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