「不完全に揃っているパズルのような印象」君の膵臓をたべたい(2017) harukaさんの映画レビュー(感想・評価)
不完全に揃っているパズルのような印象
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原作を読んでからすぐに映画も観ました。映画は主に未来に焦点を置いて描かれていて、原作を読んだ後ではこういう未来もあったのかと想像が膨らみました。個人的に山内桜良を演じた女優さんが自分の思い描いていた通りの"山内桜良"だったので、観ていて心地よかったです。
批判的な意見を述べておくと、完璧に揃ったパズルのピースのような原作を無理に未来に焦点を置いて改変しているので、パズルのピースが足りない部分が多く、説明不足な点が多かったなと思いました。特にそこどうなのと思った点としては、終盤に共病文庫を桜良の自宅で読む場面、春樹としては本当に知りたかった内容を知ることができたからこそ号泣したわけであり、共に過ごした日々の裏で描かれていた彼女の心情を知って号泣したわけではないと思っています。さらに、春樹が送った最後のメールについても、桜良に届いていたのかどうかは映画では触れられていませんでした。
映画では彼女が残した想いが時を超えて未来へ伝わるというコンセプトでしたが、やはり無理な改変をしているために不自然になってしまっている部分がありました。
こういう世界線もあったかもしれないな程度で鑑賞すると、より小説を読んだ時の想像も膨らむので良いかと思います。
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