「浜辺、北村、若者2人の好演が光ったが、映画版オリジナルは不要。」君の膵臓をたべたい(2017) 栗太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
浜辺、北村、若者2人の好演が光ったが、映画版オリジナルは不要。
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原作を読んでいたせいで、冒頭で桜良が笑顔で逃げ回ってるだけで胸が詰まってしまった。
桜良役の浜辺美波は、どこにでもいそうな少女のように見えたが、一人になった時の憔悴した表情のよさに、その認識を改めた。
10数年後の春樹と恭子が出てくるという映画版のオリジナルには、あまり納得できない。桜良の死後、数か月でだって同じ筋書き(図書館であるものを見つけること)にできただろう。だいいち、10年以上も事実を知らなかった恭子が、自分の結婚式という場面で手紙を渡されて、ああも素直に全部許せるものなのだろうか?北川景子がいくら悲しんでも、他人のような気がしてしまったし。
桜良の死の場面も、原作ほどの衝撃がなかったのは残念だった。桜良の苦痛の表情のシーンを使わなければ、死を伝えられなかったとでも言うのか。それは観客の想像力を侮っているようなもの。淡々と軽すぎるくらいの扱いでこそ、彼女の死の切なさが浮き立つと思うのだが。
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