人生フルーツのレビュー・感想・評価
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夫婦の形ってそれぞれ
感動して二回観に行きました。
人生ってどういう事なんだろう。
夫婦の形とは。
正解は、無いけれどこの方達の生きてきた足跡を見せて頂いたという感じです。
思い遣り、優しさ、繋がり、感謝、生きがい、全ては、お金では買えないけれど、どれも培ってきた長い年月と共に少しづつ後について来ますよ。と認識させられました。
ほんとうの「暮らし」とは
戦後の高度経済成長の中で風の通り抜ける暮らしを提案し、自らの生活でそれを実証した夫婦の記録。
現代の日本において求められている自然の豊かさを50年以上前に唱えていた津端修一さんの願いは本編ラストの病院の設計に携われることへの喜びの手紙が物語っていると思う。
また、そんな夫を支える英子さんの芯の強さ。庭の作物につけられたプレートのコメントのユーモア溢れるコメントは暮らしをより豊かにする重要な役割に違いない。
こんな暮らしがあったんだ。
と、気付くことが出来た素晴らしい作品。
後半は涙が止まらなかった。
あと、
修一さんの描くイラストがとてもかわいい。笑
こつこつ、ゆっくり
この映画から、こつこつ、ゆっくり、生きることの大切さを教わったように感じる。
こつこつ、ゆっくり、生きると、何が良いのか。
その答えは、「きっと良いことありますよ」というような感じだった。
「ライフスタイル」というような言葉とも違う、生活を育み、営むお二人の姿、互いに声をかけあう姿、じわじわと来るものがあり、観終わってから自分は木のスプーンを買ったり、かなり感化されています。
旦那様にひたすらついていく奥様に忘れかけた昔の日本の夫婦像の鏡をみ...
旦那様にひたすらついていく奥様に忘れかけた昔の日本の夫婦像の鏡をみるようで心が洗われました。
いろんな嫌なこともたくさんあったと思いますがあんな風な人生の終わりを迎えれた旦那様はしあわせな人生だったに違いない。
旦那様に先立たれ1人になられた奥様を取り囲む世界が、わたしには一気に色あせてモノクロにみえました。
2人だからこそがんばれた日々の生活だったのかもしれない。
自然の中に生きることは日々戦いなわけで、生易しいものではなく。
年老いて1人になった奥様にも自然は容赦なく襲いかかる。
きれいごとばかりでなく、そのようなこともありのまま描かれていて素晴らしい映画だなと思いました。
とにかく最初から最後まで、スパっと人生を旦那様に捧げつづけた奥様のかっこよさにしびれっぱなしでした。
思わず映画を観た後に本を買ってしまった
「コツコツとやっていくと、見えない物が見えてくる。」
おばあさんの言葉が好き。
仕事にも普段の生活にも共通する大切なことだと思う。
長い年月をかけて少しづつ耕した自宅の庭、そこには50種類のフルーツ、80種類?の野菜が育っている。
毎日を大切に生きている夫婦の姿が素晴らしいドキュメンタリー映画。
映画内で出てきた精神科の病院の建物を拝見してみたいと思った。
建築家の夫婦の素朴で知的な生活が垣間見れ、特にご主人の仕事に惹かれるものがあった。
何か他に大切なものを吸収出来ていないことがあるかもしれない。もう一度見ようと思っている。
宮崎駿監督"風立ちぬ"か"ノアの箱船"か。
風が吹けば枯れ葉が落ちる
枯れ葉が落ちれば土が肥える
土が肥えれば果実が実る
こつこつ、ゆっくり
『人生フルーツ』
高蔵寺ニュータウンの一角に住む、建築家:津端修一さん(当時90歳)と、その奥様:英子さん(当時87歳)の日々の生活から、戦後から日本の高度成長期を振り返るドキュメンタリーです。
本作の修一さんと英子さんは、一見すると、とても穏やかでお互いを労り合いながら、仲良く暮らしてらっしゃいます。
修一さんが英子さんを「彼女は生涯で最高のガールフレンド」だと仰る姿は、微笑まずにはいられません。
けれど、多くの方達が感じられるような、「素敵な暮らし」「理想の暮らし」とは、自分の体験からも(現在田舎暮らし2年目)思えない部分もありました。
凄く素敵だと思うけど、厳しい、(ちょっと行き過ぎた)ストイックさ、みたいなもの。
自宅は30畳のワンルームで、修一さんが尊敬する師であるアントニン・レーモンド宅を真似て造られたのだとか。
私も父の介護をするにあたって、リビング(キッチン)を中央に、父の寝室、アトリエをぐるりと見渡せるような家にしたかった(水回りの移動が大変でできませんでしたが)ので、津端宅は理想の家でした。
お二人の庭には100を越える植物が植えられていて、肉や魚以外はここでできた物を食べているのだとか。
この家で特徴的なのは、周りを囲む雑木林です。
自分の家の周りだけでも、小さな森を作る。
そこにはスローライフとはほど遠い、切羽詰まった思いを感じずにはいられませんでした。
その強い思いの理由は、修一さんの家から見える高蔵寺ニュータウンにありそうです。
1959年の伊勢湾台風の甚大な被害を受けて、国は高台に安全な集合住宅を造る計画を立てました。
その主要メンバーの一人が、修一さんでした。
森を切り開き谷を埋め建てられた巨大な集合住宅は、実は修一さんの理想とする建築とはほど遠かったのです。
これを期に、現在の生活をするようになったのだとか。
高蔵寺ニュータウンだけではなく、多摩ニュータウン、千里ニュータウンなど、最近になって入居者の高齢化(しかしバリアフリーではない)、建物の老朽化(しかし空きが多い)、作為的に作られた町の問題点が色々と出て来ているのは、みなさんご存知かと思います。
修一さんは「お金は後生に残せないが、豊かな土を残す」と、ドングリの木を植えて森を作る(里山計画)運動をしていました。
自分の理想から大きく外れ、自然破壊し、成功とは言えない自分が関わった都市計画を毎日眺めながら、自分の理想とする家を作ろうとした修一さん。
例えお顔は穏やかに微笑んでいらしても、自分の思いを突き通す強烈な個性が滲み出ています。
少し、怖かった。
そしてその修一さんの行為は、果たして後生のためなのか(ある種の贖罪なのか)、自分の理想郷に対する強い思いのためなのか。
この家は、修一さんの建築哲学の実践でもあるのですから。
駿監督の「風立ちぬ」が思い出されたり、ノアの箱船が思い出されたり……。
ベニシアさんとか、ターシャ・テューダーとは違う。
それにしても、そんな強烈な我(才能)に、何十年も寄り添って来た英子さんは凄い。
でもそうやって英子さんが柔らかく寄り添ってこられたからこそ、修一さんは狂気と日常の狭間で、どうにか心を保ってられたんじゃないだろうか。
とは、言い過ぎだろうか。
観ていて、涙したり、微笑んだり。
「もっとゆっくり休んだら」と声をかけたくなったり。
そして、自分の老後を思ったり。
豊かさについて考えたり。
第42回放送文化基金賞:テレビエンターテインメント番組「最優秀賞」受賞作です。
ドキュメンタリーの意義は、そのテーマが学校、会社、色んな場所に運ばれ、濃厚な議論が展開されることだと思っています。
そういった点では、ただ単に「素敵な暮らし」「素敵なご夫婦」で終わってしまうのは、修一さんに対しても英子さんに対しても失礼な気がします。
久々に良いドキュメンタリーを観ました。
全力でオススメします。
人生、フルーツ。
自家菜園で野菜や果物を育て、なるべく自分たちでコツコツ作ったものを食べ、扱っていく、自給自足の生活をする老夫婦に寄り添うドキュメンタリー。
言うなれば、年老いた2人の生活を眺めているだけなはずなのに、そこにあたたかな何かが流れているのを感じて、2人のやり取りに思わず微笑んでしまったり、涙ぐんでしまったり。。
いわゆる脚本により作り込まれた世界にも感動するけれど、人の人生とそこでの生き方、そこに至るまでの背景に、ほんの少しだけど触れることができて、なんだか本当に、優しい、そして切ない気持ちになった。
昔は建築家として活躍されていた修一さん。
自分が目指すものと、実際に求められているもののズレが生じた時に、彼が何をどう思ったか。
多くは語られないのだけど、それが彼の生き方を貫いているのだろうか、と思うと、そこにも心動かされる。
また、「少しでもお父さんにいいものを、少しでもお父さんにいいように」と日々手作りの料理や家事にいそしむ英子さん。
私は彼女ほどなんでも手作りで、旦那においしく健康なものを常に食べさせられているかというとそうではないし、仕事でちょっと遅くなればすぐ手を抜いてお惣菜に頼ったりするし、彼女のようには恐らくできないけれど、でも、彼女の精神を、ほんの少しでも持てるようにしたいと、切に思った。
彼がやりたいということはやらせてあげる。
どうすればそれを一緒にできるかに思いを馳せる英子さん。。
頭が下がる思いだ。
本当に、淡々と過ぎていく日常を見る映像なのだけど、自分の、いわゆる「経済至上主義」の世の中にそこそこ揉まれたこれまではこれまでとして、これから生きて行く時に、急がず、ゆっくり、コツコツと、時を重ねていけばいいじゃないか、ということを、改めて考えさせてくれた1時間でした。
少なくとも、今日の夕飯にはいつもより手をかけよう…笑
印象的な言葉たちが幸せにくるまれている
こんな夫婦になりたいと誰もが思い、こんな年の取り方をしたいと誰もが思い、観終わった後に少し意識が変わってくるような映画だった。
『あなた、あの川を渡らないで』と併せて観たら、多分体の水分がかなりなくなる。
そして言いたい。東海テレビのドキュメンタリー、不作ないのかよ!と。
他の作品ももちろん、人生フルーツも傑作でした。
自給自足とまではいかないが、庭で作れるものは自分たちで作る。
庭には「〇〇の木です。(一言コメント)」等、いちいち愛らしい。
修一さんの色んな所に描く二人のイラストがとにかく可愛らしくて、夫婦にこういうエンブレム的なものがあるの良いなぁと感じた。
買わずに自分で作れるものは何でも作っちゃう様子。
全てを使い切らず余白を残す大事さ。
学ぶことが沢山あった。
修一さん(90)の印象的な言葉
「とにかく自分一人で出来ることを見つけて、時間がかかっても一人でやることで何か見えてくる」
「(英子さんのことを)彼女は僕にとって最高のガールフレンド」
英子さん(87)の印象的な言葉
「母の教えで、(旦那に)きちっとしたものを着せて、きちんとしたものを食べさせれば旦那はきちんとする」
人生、フルーツ。
つばたさん夫妻の暮らしと人生を追ったドキュメンタリー作品。
なるべく、自分で。をモットーに
野菜や果実を作り、スープもソースもお菓子も自分で作る。
お二人のおうちの庭で採れたさくらんぼや栗のなんときれいなことだろう。宝石みたいだった。
信用できる人からものを買い、コンビニは、行かない。
障子も自分で張り替える。
孫のドールハウスも自分で手作り。
おうちも二人の暮らしが形になってる素敵なお住まいだった。
修一さんの書く看板やお手紙、添えられたイラストのなんて優しくて素敵なこと。
英子さんの作るお料理やお菓子のなんて優しくて美味しそうなこと。
修一さんに寄り添い「夫に良いものを食べさせ、身なりを良くする。それが巡り巡って自分に帰ってくる」と言った英子さん。
英子さんのことを「彼女は最高のガールフレンド」と言った修一さん。
お二人のように相手の一部になって寄り添って生きられたら素敵だ。
便利に暮らす/生きることと豊かに暮らす/生きることとは決してイコールではない。そう感じさせたすごく優しい作品だった。途中から涙が止まらなくなった。
物体として目に見えなくても美しいものはこの世界に確実にあって、私はこの作品をそれを見ることができて泣いたんだと思う。
''家は暮らしを豊かにする宝石箱でなくてはならない。''
心に残る言葉もたくさんあった。
樹木希林さんのナレーションがまた優しくて作品に寄り添っていてすごく良かった。
''風が吹けば枯れ葉が落ちる
枯れ葉が落ちれば土が肥える
土が肥えれば果実が実る
こつこつ、ゆっくりと。''
すごくよかった
DIY精神が素晴らしく発揮されていて、憧れてしまう。しかし旦那さんは東大卒の設計士であり、優秀すぎる人物で、彼がなんなくこなしているように見えても真似できるものではない。それでもベーコンはオレも作ってみたい。
「女はいつでも笑っていろ」と育てられた奥さん、現在では男女差別になるかもしれないが、そういった心がけはとても大切だと思う。やるやらないではなく、そういった物差しが一つあるだけで、何もないのとは全く違ってくるはずだ。
この映画を見た後に、96歳の祖母が入所している養護施設に行ったら、同じ老人とは思えないほど全く違っていて、現実に引き戻された。映画の人たちには痴呆がなく、まさにぴんぴんころりで、理想の結末だ。
お金と幸せ
「人生フルーツ」
90歳の建築家、修一さんと87歳の妻、英子さんのドキュメンタリー。英子さんは200年も続く造り酒屋のお嬢様。端々に発する英子さんの言葉から昔叩き込まれた教育、育ちの良さを滲み出す。「あの人(夫)は歳をとってから良い顔になってきたのよ」確かに若い時の写真とは人相が違う修一さん。
雑草したむしりした後、昼寝して、そのまま起きてこなかったて。そんな亡くなり方、最近あるんだろうか。
風がふけば、枯葉が落ちる。
枯葉が落ちれば、土が肥える。
土が肥えれば、果実が実る。
こつこつ、ゆっくり。
映画の中で何度か繰り返される樹木希林ナレーションのこの言葉。
お金と幸せ ★★★
理想の夫婦 ★★★
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