人生フルーツのレビュー・感想・評価
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夫修一が妻英子に残したのは、 50年かけて育てた雑木林。 その雑木...
夫修一が妻英子に残したのは、
50年かけて育てた雑木林。
その雑木林に抱かれて、庭仕事をする妻。
夫の生き方を体現したその庭で、
夫の言葉を思い出す。
「コツコツやればなにかが見えてくる。」
死ぬ時に持っていけるものがないのなら、
私は何を残せるだろう?
修一さんは、自分の生き方を貫き、
それによって充実した生を生きぬいた。
同じ生きるのなら、
私はどうやって生きたいだろう?
長生きもいいもんだな
観たいと思っていたけど、なかなか観れず。
やっと観たけど、良かった〜
こんな世の中、早くオサラバ。
と思っていたけど、結局の所生き方次第だな。
次はかみさんと観たいな。
二人で長生きしたくなった。
人生、コツコツ
《ささやかな幸せに囲まれた暮らし》ある御夫婦のゆるやかに時を貯める日常。凄く自然体で今の世で尊いことが詰まっている様に感じました。お互いを敬いながらほぼ自給自足を実践し、信条を持ち丁寧に生きている姿はとても美しかったです。「家は暮らしの宝石箱でなければならない」内省も含め何事もこつこつ…やって行こうって。。(笑)樹木希林さんのナレーションが耳に心地好かったです。羨ましく微笑ましい一組の夫婦の物語。
一歩一歩ゆっくり二人で進む
とある建築家夫婦の生活
こんなにも素晴らしい夫婦生活がおくれる二人が羨ましい
最高の作品でした。
なんとものどかでゆっくりした生活、一つ一つが優しくて暖かく感じた。
人生の一つの理想像がこの作品にはあるのではないだろうか。
自分達の食べ物を庭で育て、必要な物は馴染みのお店で買う。
こだわりと人情を大切にし、誰にでも優しいく穏やかに過ごす事を簡単に行っている二人。
意外と単純でマネできそうなのだが、今の自分には難しい行動だ。
だが、二人を見習って少しづつマネできる所からマネしていきたいと思った。
この作品ではマネしたい事が本当に多い。
自分で育てた果物や野菜を食べる
季節を楽しむ
土いじりを通して自然を感じる
看板に一言添える
物を大事に扱う
修理できる物は修理する
知り合いに手紙を出す
誰でもできて誰もやらなくなった事や昔ながらの生活の楽しみ方。
利便性のために捨ててきた物、手間のかかる事の味わいや心の癒しにい気付く。
おじいちゃんはの仕事への熱意と責任感も凄い。
自分の手掛けたプロジェクトを最後まで見届けるために、設計したニュータウンで生活をするし、引退後も心のケアをする施設の設計を請け負い、真心こめて仕事をする。その姿勢にはただただ尊敬するしかない。
おばあちゃんは可愛らしく、手作り料理や畑仕事をこまめにする。
毎日おいしいごはんを作って、生きる活力を与えてくれる。
夫を支え健康のため食事にこだわり、食べきれない食材は子や孫におすそ分けし、主婦として母として素晴らしいと思う。
話は少しそれるが老夫婦ドキュメンタリーと言えば、「二人の桃源郷」も大傑作、こちらは電気も水道もない山奥で自給自足の暮らしをする夫婦の話だ。
どちらの作品も自然と共にてゆっくりと生きていく夫婦の話だが、状況も環境も違うのにどこか共通していて憧れてしまう。
同じような作品で「あなた、その川を渡らないで」と「風の波紋」もある。
この二つも田舎の夫婦を追ったドキュメンタリーだ。
ただ、自分はこの二作品はあまり好きではない。
「あなた、その川を~」はすごく作り物の臭いがするし、「風の波紋」はいかにも田舎暮らしいいでしょう?憧れるでしょう?
と言っているような気がしてしまうのだ。あくまで個人的だが。
「人生フルーツ」には作り物でも押し付けでもない、純粋な生活が描かれていると感じた。
同じ劇場に居た大学生位の人はかなり感動しているようだったし、若者にも通じる感動が有る作品なのだと実感した。
夫婦で見ても一人で見ても、親と見てもいい作品だと思うし、鑑賞後の幸福感と満足感は保障するので是非鑑賞して頂きたい。
劇中セリフより
「人生コツコツ」
一つ一つを大切に、ゆっくりでもいいから積み重ねる。
人生を楽しみ豊かにする方法はマイペースでいる事なのかも知れない。
いつか必ず実る人生フルーツ
タイトルからはピンとこなかったけど、いい映画というかいいドキュメンタリー作品だった。
テレビ放送された番組の映画化だけど、この老夫婦が持つ独特な時間の流れをただそのまま見つめていく。
意図的な文字スーパーが必要最小限に挿入され、ナレーションもおなじみの樹木希林さんだから安心して観れる。
舞台となるのは、この老夫婦が住む名古屋近郊の高蔵寺ニュータウン。
前知識は、建築家だったことと果樹に囲まれて生活しているということだけ。
よく知ってるつもりのあまり好きではなかった土地だけど、映画を観て変わった。
その何でもない日々の暮らしがこんなにも豊かで、二人きりの老後をここまで楽しめる秘訣はどこにあるんだろう。
このニュータウンがどうして出来たのかの理由が、伊勢湾台風だったとは。
ときは高度経済成長の真っ只中。
被害の無かったこの高台の地に、住宅公団の都市計画が持ち上がる。
その先頭に立ってプランを設計したのが、この津端修一さんだったのだ。
そのプランでは、地の利をいかして尾根沿いに家を建て、谷はそのまま風の通り道となるよう、21世紀の現代こそ必要とされる自然と共生するライフスタイルを、すでに60年代に打ち立てていた。
しかし、計画が進むにつれ業者やいろんな利権が入り込んだのだろうが、結局今わたしたちが知ってる無機質な団地となってしまった。
だからこそ、修一さんは責任を感じたんだと思う。
無残なはげ山となり造成された新地で、自ら土地を買い木を植え土をつくりながら小さな実験をはじめる。
全体からでは出来なくても、1軒ずつでもそんな暮らしが増えていけば、雑木林に囲まれた住宅街が出来ると、自らのプランを実現しようとする。
そのスピードはなんとゆるやかなことか。
ゆっくりでもこつこつとやっていれば、やりたいことは自然と実現していく。
お金を貯める生活でなく、時間を貯めるというとてもシンプルで豊かな生活。
だから、何でもない日々の生活のひとつひとつが生き生きとして、それらは果実のようにいつか必ず実るということをわたしたちに教えてくれる。
英子さんの手料理ひとつひとつも。
お孫さんにつくったドールハウスや、娘さんが大切に思った鳥の水場も。
そんな夢のような時間がいつまでもつづき、まさか最期のときが来るとは思えない二人だったけど。
だけれど、それも自然に美しかったのだ。
旦那様にひたすらついていく奥様に忘れかけた昔の日本の夫婦像の鏡をみ...
旦那様にひたすらついていく奥様に忘れかけた昔の日本の夫婦像の鏡をみるようで心が洗われました。
いろんな嫌なこともたくさんあったと思いますがあんな風な人生の終わりを迎えれた旦那様はしあわせな人生だったに違いない。
旦那様に先立たれ1人になられた奥様を取り囲む世界が、わたしには一気に色あせてモノクロにみえました。
2人だからこそがんばれた日々の生活だったのかもしれない。
自然の中に生きることは日々戦いなわけで、生易しいものではなく。
年老いて1人になった奥様にも自然は容赦なく襲いかかる。
きれいごとばかりでなく、そのようなこともありのまま描かれていて素晴らしい映画だなと思いました。
とにかく最初から最後まで、スパっと人生を旦那様に捧げつづけた奥様のかっこよさにしびれっぱなしでした。
思わず映画を観た後に本を買ってしまった
「コツコツとやっていくと、見えない物が見えてくる。」
おばあさんの言葉が好き。
仕事にも普段の生活にも共通する大切なことだと思う。
長い年月をかけて少しづつ耕した自宅の庭、そこには50種類のフルーツ、80種類?の野菜が育っている。
毎日を大切に生きている夫婦の姿が素晴らしいドキュメンタリー映画。
映画内で出てきた精神科の病院の建物を拝見してみたいと思った。
建築家の夫婦の素朴で知的な生活が垣間見れ、特にご主人の仕事に惹かれるものがあった。
何か他に大切なものを吸収出来ていないことがあるかもしれない。もう一度見ようと思っている。
宮崎駿監督"風立ちぬ"か"ノアの箱船"か。
風が吹けば枯れ葉が落ちる
枯れ葉が落ちれば土が肥える
土が肥えれば果実が実る
こつこつ、ゆっくり
『人生フルーツ』
高蔵寺ニュータウンの一角に住む、建築家:津端修一さん(当時90歳)と、その奥様:英子さん(当時87歳)の日々の生活から、戦後から日本の高度成長期を振り返るドキュメンタリーです。
本作の修一さんと英子さんは、一見すると、とても穏やかでお互いを労り合いながら、仲良く暮らしてらっしゃいます。
修一さんが英子さんを「彼女は生涯で最高のガールフレンド」だと仰る姿は、微笑まずにはいられません。
けれど、多くの方達が感じられるような、「素敵な暮らし」「理想の暮らし」とは、自分の体験からも(現在田舎暮らし2年目)思えない部分もありました。
凄く素敵だと思うけど、厳しい、(ちょっと行き過ぎた)ストイックさ、みたいなもの。
自宅は30畳のワンルームで、修一さんが尊敬する師であるアントニン・レーモンド宅を真似て造られたのだとか。
私も父の介護をするにあたって、リビング(キッチン)を中央に、父の寝室、アトリエをぐるりと見渡せるような家にしたかった(水回りの移動が大変でできませんでしたが)ので、津端宅は理想の家でした。
お二人の庭には100を越える植物が植えられていて、肉や魚以外はここでできた物を食べているのだとか。
この家で特徴的なのは、周りを囲む雑木林です。
自分の家の周りだけでも、小さな森を作る。
そこにはスローライフとはほど遠い、切羽詰まった思いを感じずにはいられませんでした。
その強い思いの理由は、修一さんの家から見える高蔵寺ニュータウンにありそうです。
1959年の伊勢湾台風の甚大な被害を受けて、国は高台に安全な集合住宅を造る計画を立てました。
その主要メンバーの一人が、修一さんでした。
森を切り開き谷を埋め建てられた巨大な集合住宅は、実は修一さんの理想とする建築とはほど遠かったのです。
これを期に、現在の生活をするようになったのだとか。
高蔵寺ニュータウンだけではなく、多摩ニュータウン、千里ニュータウンなど、最近になって入居者の高齢化(しかしバリアフリーではない)、建物の老朽化(しかし空きが多い)、作為的に作られた町の問題点が色々と出て来ているのは、みなさんご存知かと思います。
修一さんは「お金は後生に残せないが、豊かな土を残す」と、ドングリの木を植えて森を作る(里山計画)運動をしていました。
自分の理想から大きく外れ、自然破壊し、成功とは言えない自分が関わった都市計画を毎日眺めながら、自分の理想とする家を作ろうとした修一さん。
例えお顔は穏やかに微笑んでいらしても、自分の思いを突き通す強烈な個性が滲み出ています。
少し、怖かった。
そしてその修一さんの行為は、果たして後生のためなのか(ある種の贖罪なのか)、自分の理想郷に対する強い思いのためなのか。
この家は、修一さんの建築哲学の実践でもあるのですから。
駿監督の「風立ちぬ」が思い出されたり、ノアの箱船が思い出されたり……。
ベニシアさんとか、ターシャ・テューダーとは違う。
それにしても、そんな強烈な我(才能)に、何十年も寄り添って来た英子さんは凄い。
でもそうやって英子さんが柔らかく寄り添ってこられたからこそ、修一さんは狂気と日常の狭間で、どうにか心を保ってられたんじゃないだろうか。
とは、言い過ぎだろうか。
観ていて、涙したり、微笑んだり。
「もっとゆっくり休んだら」と声をかけたくなったり。
そして、自分の老後を思ったり。
豊かさについて考えたり。
第42回放送文化基金賞:テレビエンターテインメント番組「最優秀賞」受賞作です。
ドキュメンタリーの意義は、そのテーマが学校、会社、色んな場所に運ばれ、濃厚な議論が展開されることだと思っています。
そういった点では、ただ単に「素敵な暮らし」「素敵なご夫婦」で終わってしまうのは、修一さんに対しても英子さんに対しても失礼な気がします。
久々に良いドキュメンタリーを観ました。
全力でオススメします。
人生、フルーツ。
自家菜園で野菜や果物を育て、なるべく自分たちでコツコツ作ったものを食べ、扱っていく、自給自足の生活をする老夫婦に寄り添うドキュメンタリー。
言うなれば、年老いた2人の生活を眺めているだけなはずなのに、そこにあたたかな何かが流れているのを感じて、2人のやり取りに思わず微笑んでしまったり、涙ぐんでしまったり。。
いわゆる脚本により作り込まれた世界にも感動するけれど、人の人生とそこでの生き方、そこに至るまでの背景に、ほんの少しだけど触れることができて、なんだか本当に、優しい、そして切ない気持ちになった。
昔は建築家として活躍されていた修一さん。
自分が目指すものと、実際に求められているもののズレが生じた時に、彼が何をどう思ったか。
多くは語られないのだけど、それが彼の生き方を貫いているのだろうか、と思うと、そこにも心動かされる。
また、「少しでもお父さんにいいものを、少しでもお父さんにいいように」と日々手作りの料理や家事にいそしむ英子さん。
私は彼女ほどなんでも手作りで、旦那においしく健康なものを常に食べさせられているかというとそうではないし、仕事でちょっと遅くなればすぐ手を抜いてお惣菜に頼ったりするし、彼女のようには恐らくできないけれど、でも、彼女の精神を、ほんの少しでも持てるようにしたいと、切に思った。
彼がやりたいということはやらせてあげる。
どうすればそれを一緒にできるかに思いを馳せる英子さん。。
頭が下がる思いだ。
本当に、淡々と過ぎていく日常を見る映像なのだけど、自分の、いわゆる「経済至上主義」の世の中にそこそこ揉まれたこれまではこれまでとして、これから生きて行く時に、急がず、ゆっくり、コツコツと、時を重ねていけばいいじゃないか、ということを、改めて考えさせてくれた1時間でした。
少なくとも、今日の夕飯にはいつもより手をかけよう…笑
コツコツと、ゆっくりと
映画の中で何度となく、樹木希林が語る
「風が吹けば枯葉が落ちる。枯葉が落ちれば畑が肥える。畑が肥えれば果実が実る」が心に響く。
戦後、住宅難の時代に設計に携わったニュータウン。
初めは団地に入るも、その後、敷地の一角に平屋の住宅を建て、樹木を植え、畑で野菜を作りながら、その町を観察していたのだろうと思う。
最期まで、人間が楽しく幸せに暮らせる住宅を追い求めていたのだろう。
家は生活の宝石箱でなくてはならない(ル・コルビュジエ)
長く生きるほど、人生はより美しくなる(フランク・ロイド・ライト)
全ては、自然が書いた偉大な書物を学ぶことから生まれる、人間が造る物は、既にその偉大な書物の中に書かれている(アントニ・ガウディ)
印象的な言葉たちが幸せにくるまれている
こんな夫婦になりたいと誰もが思い、こんな年の取り方をしたいと誰もが思い、観終わった後に少し意識が変わってくるような映画だった。
『あなた、あの川を渡らないで』と併せて観たら、多分体の水分がかなりなくなる。
そして言いたい。東海テレビのドキュメンタリー、不作ないのかよ!と。
他の作品ももちろん、人生フルーツも傑作でした。
自給自足とまではいかないが、庭で作れるものは自分たちで作る。
庭には「〇〇の木です。(一言コメント)」等、いちいち愛らしい。
修一さんの色んな所に描く二人のイラストがとにかく可愛らしくて、夫婦にこういうエンブレム的なものがあるの良いなぁと感じた。
買わずに自分で作れるものは何でも作っちゃう様子。
全てを使い切らず余白を残す大事さ。
学ぶことが沢山あった。
修一さん(90)の印象的な言葉
「とにかく自分一人で出来ることを見つけて、時間がかかっても一人でやることで何か見えてくる」
「(英子さんのことを)彼女は僕にとって最高のガールフレンド」
英子さん(87)の印象的な言葉
「母の教えで、(旦那に)きちっとしたものを着せて、きちんとしたものを食べさせれば旦那はきちんとする」
やさしい時間。
自分の暮らしを、周囲の人を、人間の暮らしを、そして何よりお互いのことを大切にする修一さんと英子さんの素朴な暮らしに感じ入ってしまいました。なんて穏やかで、豊かで、美しいんだろう。
上映中は、涙がぼろぼろこぼれて、しあわせな気持ちで頬が緩んで、感動してまた泣いて、見終わったらほっぺたがカピカピになっていました笑 映画館は平日の朝にもかかわらず満席。若い人も、賑やかなおばちゃん達も、中高年のご夫婦も。それぞれが自分の生活や生き方と重ねて、どんなことを思ったのかしら。津端ご夫妻の在りようが、きっと心の中にほわんと灯っているのだろうな。わたしの心にも、ほわんとしっかり灯りました。色々のことが起こるし、うまくいかないこともこれからたくさんあると思うけど、この灯りは何年、何十年経ってもきっと道しるべになってくれるんだろうな、と、思います。
すてき。
ものすごくすてきなご夫婦。
学ぶこといっぱい、そして大事なことに気づかされ涙。
とても濃い、優しい、温かい映画でした。
樹木希林さんのナレーションもぴったり。
人間らしく。ゆっくり、こつこつ。自分でできることは自分で。なにかが見えてくる。
丁寧に暮らしたいのに、なかなかできてない自分には、とてもよいお手本を見せてもらえました。理想的なおふたり。
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