「共感できず…」メッセージ 幸ぴこリンさんの映画レビュー(感想・評価)
共感できず…
・他者がルイーズの過去について触れる箇所が一度もない
・元夫が声すら登場無し
・ばかうけとの交信につれ娘との回顧シーンが出てくる、また、言語を会得し始めたルイーズに対してばかうけが「ルイーズ"には"武器がある」と発言
というところから、なんかねじ曲がった部分があるんだろうなーと思いながら観た。
SFとしては知的で、武力を無意味なものと見事に示している作品。
原作を読めばもっと色々しっくりくるかもしれないが、映画だけみるとわたしにはこのメッセージ性を享受できなかった。
ばかうけとの交信により彼らの言語(時?)を学べば未来を読み取る能力を得られるとの事で、ばかうけは3000年後に助けて欲しいから人類を今助けにきたわけで。助けというより、自分達を助ける為の助力になる力を授けにきた感じだよね。(未来を予知出来ればそれこそ敵無しなので確かに武器。)
でもこの予知能力ってそもそも、エピソードとして映像を見るものなのか?最後に中国のお偉いさんに電話をかけることになるシーンも、予知能力というよりファンタジックな予知夢であり、何か違う気がしてしまった。
『今を大切に生きる、たとえ未来に何が起ころうと』というのがメッセージだとは思うが、この映画の主人公に関しては綺麗事では?生まれてくる娘が難病で死ぬとわかっていてもめちゃくちゃ幸せにやっていこうと前向きに思えるのかが全く理解出来なかった。どこの世界にそんな聖マリアが存在するんだ…。
生まれてくる娘が難病になる事が予知出来、かつ病気がどんなものかも予知出来、現代医学に貢献し娘が病気になる頃には既に治療法を確立させる事が可能である というものなら分かるけど、ルイーズは最後に未来の夫イアンに対し、未来が見えるなら何か変えようと思う?と聞き、それに対して彼は気持ちを伝えるかなという回答しかしないので、多分そういう話じゃないんだよね。