「意外と政治的」メッセージ sさんの映画レビュー(感想・評価)
意外と政治的
小3と鑑賞。
字幕の漢字は読めなかったが、
おおよその筋は把握できたので最後までハラハラして楽しめた模様。
「君の名は。」の時と同様、時間のからくりは理解できなかった。
人間は時間を線形で把握するのがデフォなんだな。
テーマ的にも登場人物的にも、
ジョディ・フォスター主演の「コンタクト」に酷似していた。
そしてあの恐怖の宇宙人の造形や質感、霧がかった演出は
「ミスト」のモンスターではないか?
墨で書かれた表意文字、それって漢字のことですか。
人類の他の言語のどれよりも高度な文明の、優位性のある言語扱いでしたが
ひょっとして暗に中国語を世界の統一言語とすべきって言いたい?中華思想ってやつ?
などつい穿ってしまう。
原作者は中国系でも米国で生まれ育ったようだし
監督もカナダ人なので直接的な意図はないかも知れないけど。
結局あのイカ星人の来球の目的は、
高度なイカスミ語を伝授することによって人類の統一を図り、
それによって人類を団結させる手助けをしに来た、
将来自分たちが助けてもらうこともまた定説ですとなるのだろうが、
その定められた未来に争うのが生命、じゃなかったっけ。
意外と政治的、思想的な思惑が漂ってくる作品だった。
ちなみに最後にポッド攻撃を中止させる中国の軍司令官へのルイーズの電話、夫人の遺言ですが
敢えて字幕を付けない意図があるのだろうけどあんまり考えたくない。
調べたら、女優さんの発音のせいか中国人にも何を言っているかほとんど聞き取れなかったらしい。
英語版でも字幕はついていない様子。
聞き取った人づての内容を私なりに適当に訳せば
まず主人公が自分が今アメリカの設営地にいることを伝えた後
将軍の奥さんが夢に立ち言伝を残した、
あなたは勇気をもって、世界を救う手助けをするべきだ
戦争は英雄を作らない、ただ孤児と寡婦を生み出すだけ、
後は後半を繰り返すというような感じだったらしい。
映画と原作とは完全に別作品と考えていますが、
原作はまた全然違った雰囲気のようで、作者も当代一のSF作家の呼び声も高いので、機会があれば読んでみたい。