「詳しく解説してほしい…」メッセージ だいずさんの映画レビュー(感想・評価)
詳しく解説してほしい…
私はSFあんまり得意じゃないのですが、
本作「メッセージ」はバトルアクション系ではなく思索的なSFだとどこぞで聞きかじってきまして、
そんならひとつみてみようかなと思ったわけです。
ばかうけ、あるいは柿の種型の宇宙船に乗って、
イカかタコかというビジュアルをした7本足の生き物が
地球にやってきたというお話です。
冒頭ですでに主人公・言語学者のルイーズは、どうやら娘を10代後半くらいで失っているようでした。
愛らしい娘の幼少期、思春期の反抗、そして治らぬ病、娘の父親は出てこなくて、
「ばかうけ」内部の調査を始めて以後も、娘との思い出?がさしはさまれてゆく構成です。
娘の父は理系で、どうやら離婚しているっぽいことがわかります。
プロモーションで示されているあらすじが、娘を亡くした主人公、という体だったので、
多くの観客は「すでに」娘を亡くした主人公が、娘の死後の世界を生きている中で娘を頻繁に思い出す話だと思って観ます。
でもどうやらそれは、違う。時制が存在しなければどういう世界なのか、という問いを、ルイーズは始めからしています。
だから、どうなんだという点をうまく説明できないのですが、
というか、時制が存在しない世界は、絶対存在しないのではないかと私は思うので、いまひとつ腑に落ちていません。
絶対的なものは殆どないけれど、ひとつだけ絶対的だといえるのが「時」ではないかと私は思っているわけです。
少なくとも地球上の世界は時制が支配しているでしょう。地球以外だったらどうなのかはわかりませんが・・・
ま、そこに引っかかったらおしまいなので、とりあえず時制がない世界があるとしましょう。
ヘプタポットたち(イカっぽい生き物に人間がつけた名前)はそういう世界からきたっぽいことが、
彼らの言語(イカ墨のわっかみたいなの)を理解しようとする過程でわかっていきます。
ルイーズの娘の思い出映像は、思い出じゃなくって、知らない女の子だといっている。
もしかして、未来の映像を見ている?
あ、イカ墨文字の本を出して、中国の将軍とお喋りしてる!
わからんながら、わかったことを記しておくと、ルイーズはヘプタポットが去った日々の
映像をみていて、そこで中国の攻撃をルイーズの進言によって取りやめさせたことを知った。
なので、その未来を迎えるために、ルイーズは中国の将軍に電話をした。
娘は既に死んだのではなくて、これから産む。
その相手は物理学者の同僚(ジェレミーレナー)で、いつか別れることになるけれど
(それは娘が死ぬ事を知っていたからかな?)、それを知った上で、生きると決める。
人類がどうのこうのという話が、最終的にはルイーズ個人の話に集約されていったのが、
私は好ましく思いました。
が、いかんせんむーずーかーしいい。
いまいち、こう、どういう話だったかをいえないのが、悔しいですね。
時間があればまた見てみたいけれども。