「音が良くても絵に難あり」メッセージ SHさんの映画レビュー(感想・評価)
音が良くても絵に難あり
全体的に絵のクリアさに欠け、見せ所でもある“殻”の力強さなどは全く感じられず非常に残念。
原作を読むと、如何様にも映像化できると夢想したし、淡々とした短編をどのように視覚化されるものかと非常に期待していたが、半ば裏切られた思い。
前半は非常に退屈だったし、まさかの眠気までも催した。
正直、原作もかなり難しいと思ったし、個人的にはそれほど楽しめなかったけれど、それより更に退屈感を覚えてしまった映画の前半…もしや伝説的な駄作かも!?と危惧したほど。
しかし、後半の脚色は非常に好感を持てたし、原作では感じることが出来なかったラストの重みや感動といったものも大いに感じた。
決していい映画とはいえないけれど、楽しむことはできた。
どうしても納得できないのは、ルイーズが超能力者かのような表現に見えてしまったところ。あの能力は文字や言語から派生するものだということを、もっと丁寧に表現しないと、作品の魅力が見いだすことができないのでは無かろうか。徹底的に説明的にでも、ヘプタポッドの言語について明快な読み解きが必要だと感じるところ。とはいえ、それをしたところで余計眠気を催すかもと思うわけで、なかなか難しいとは思う。それだけ難しいテーマであったことは間違いないわけで、その難解さを吹き飛ばすくらいの感動はあったと思うので、そこは大いに評価したい。
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