「イエスは自分を神とは思ってない」沈黙 サイレンス 藤崎敬太さんの映画レビュー(感想・評価)
イエスは自分を神とは思ってない
遠藤周作の小説は、ほぼ読んだし、『沈黙』は名作だ。
自分がなぜ名作と思うのか、それは、キリストの真髄を感じるからだ。
キリストは決して、自己への崇拝や、キリスト教が広く広まることを
望んでいるわけではない。
ただただ、弱いものに寄り添いたいだけ。
それを理解したからこそ、若きパードレも棄教したのであろう。
若きパードレの苦難は、イエスの経験した苦難なのだ。
神は沈黙したかもしれないが、イエスはパードレの棄教を受け入れたはずだ。
本映画も、原作の主題から離れることなく、忠実に映像化していた。
本でも感じたが、若きパードレが踏み絵をしたシーンで終わった方が
より、作者の言わんとすることが、はっきりしたと思う。
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