劇場公開日 2017年1月21日

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「イエスは自分を神とは思ってない」沈黙 サイレンス 藤崎敬太さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5イエスは自分を神とは思ってない

2024年6月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

遠藤周作の小説は、ほぼ読んだし、『沈黙』は名作だ。

自分がなぜ名作と思うのか、それは、キリストの真髄を感じるからだ。

キリストは決して、自己への崇拝や、キリスト教が広く広まることを

望んでいるわけではない。

ただただ、弱いものに寄り添いたいだけ。

それを理解したからこそ、若きパードレも棄教したのであろう。

若きパードレの苦難は、イエスの経験した苦難なのだ。

神は沈黙したかもしれないが、イエスはパードレの棄教を受け入れたはずだ。

本映画も、原作の主題から離れることなく、忠実に映像化していた。

本でも感じたが、若きパードレが踏み絵をしたシーンで終わった方が

より、作者の言わんとすることが、はっきりしたと思う。

藤崎敬太