「「日本ってこんな国」を見つめる」沈黙 サイレンス DEPO LABOさんの映画レビュー(感想・評価)
「日本ってこんな国」を見つめる
・オープニング、何かウァッって出てくるんじゃないかと目細めて身構えたけどなんもなかった。
・このオープニング演出すごい。
・(極力)洗脳しない映画。
・たとえば音楽がほとんどない。
・事実をフラットなテンションで描いて、お前はどう思う?と聞いてくる映画。
・決して時代遅れではないテーマ。映画の時代の日本の姿は、現代日本にもがっつりリンクしている。
・だから今それを映画で描く事に意味がある
・こんなん続けて一体何になるんだろう?と思いながら毎日頑張って働いている人がたくさんいるはず
・映画の中の「本当に神はいるのか...?」という葛藤は、現代の働く人にとって共感できるもの
・「自分は間違っていない」という確信だけでなく、「与えられた環境で自分はなにができるのか」という気づきが芽生える瞬間が描かれている
・日本には八百万(やおよろず)の神を崇める文化があるように、日本人は特に、おのおのが信じたいと思うものを信じる気持ちが強い。
・映画の中で、日本のキリスト教徒が崇めていたのはキリストではなく、太陽だったというのは非常に興味深い(すごい独自アレンジw)
・キャスティングがおもしろい。
・クワイガンジン役の俳優さん出てて、着物姿がしっくりくる。
・日本の怖さと美しさが描かれてる
・普段当たり前になっていることがポルトガル人の視点から見ることで、日本を客観視できる
・自分の信じるものが日本的でないときには、黙って信じていることしかできない
・「黙ってでも信じていればいい」
・そして心から信じたものは、他人からどんなことをされても奪われることはない
・ポピュラーでないものは用無し、性に合わないものは徹底排除、という風潮がある日本は限りなく社会主義にちかい資本主義なのかもしれない。
・小保方さんや佐村河内さんの騒動のときの異様な熱の高ぶりをみると、今の日本にもそういう気質はある
・言いたいこと言えて、なんでも好きなものを信じる事ができる現代が、いかに自由であるかがわかる。(戦後アメリカが与えた恩恵といえるかもしれない)
・現代日本のキリスト教布教率をみれば、日本文化の一貫性を感じる
・映画の中でいうところの、日本という国の土は、昔から変わってない
・性に合わないものを徹底的に排除する日本の文化は今も健在
・しかし、それは日本独自の才能でもあり魅力でもある
・アジアから流れてきた文化を、日本的な感性と照らし合わせて、自分に合わないものを徹底的に排除(洗練)させ、ブラッシュアップして、独自の文化を築き上げてきた
・ざっくりいえばシンプルにアレンジする才能。
・日本は、そんな魅力がある国という解釈もできる。
・原作者の遠藤周作は日本になにかを諦めていたんだろうか?